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瀬戸内物語 北川フラム

(54)小豆島の国際交流 大地の芸術祭にバトン

2015/08/01

香港チームが自然農法で栽培した野菜を使ったランチ会に参加した人たち

香港チームが自然農法で栽培した野菜を使ったランチ会に参加した人たち

 新潟県の越後妻有地域で3年ごとに開かれる「大地の芸術祭」の第6回目が7月26日に開幕し、その日、アジアの八つの地域から美術関係者が集まりました。日本からも横浜のBankART、黄金町エリアマネジメント、福岡アジア美術館、東京のOn―Going吉祥寺などアジアの地域と熱心に交流を行っているグループの参加があり、国際交流基金のアジア部も加わっています。

 ユニークなのは瀬戸内の小豆島福田地区からの参加で、塩田小豆島町長と福田の住民ら福武ハウス関係者の出席は、この会が目指すものが国間交流だけではなく、より機動的な地域やグループ同士の、いわばヒューマンスケールの付き合いを重視しようとしていることがわかるものでした。

 交流の広がりは、すでに第2回の瀬戸内国際芸術祭で強く感じられたことでした。小豆島の福田地区の閉校舎を活用した、福武ハウスに七つの国と地域から、それぞれ長く活動を継続している組織が半分は自費で参加し(こんなことは今までの日本ではあまりないことでした)、それぞれの企画者がアーティストを選定し、企画展を行うというものでした。

 さらにそれぞれの組織が、自国の優秀な料理人さんを招聘(しょうへい)し、福田の住民と食のワークショップを行いました。それらの経験から「福田アジア食堂」をオープンし営業したのです。国を超えたヒューマンスケールの交流、アジア諸国、美術と食、地域を舞台にする、というベースは今後のグローバリゼーションの実体に大きな影響を与えると思います。これは福武財団と小豆島町、福田地区自治連合会が主催し、瀬戸芸実行委員会がバックアップするというものですが、昨年は台湾、今年はインドネシアが継続して地域に入り活動しています。

 この福田の流れをつなぎ、深め、広げようとの考えで大地の芸術祭にバトンがひとつ渡されたのだと思います。瀬戸芸にも来ていた香港大学を中心とした香港チームは、妻有で50人を超える人たちがサポーターをやっていますし、妻有での会議には、上海大学、杭州の中国美術学院も参加していました。彼らもアートを中心にしたアジアのプラットフォームに加わりたいと述べていました。バングラデシュやフィリピン、モンゴルからの希望もあります。日本政府も日本文化の海外での宣伝中心から、アジア諸国の文化的活動に、日本の「人」、「経験」を持って参加させていく方向にかじを切りました。

 また、大地の芸術祭には20人ほどのアジア作家が参加していますが、芸術祭を手伝いに来てくれているアジアからのサポーターから要請があり、開幕2日前、集まった彼らに話をしました。日中の手伝い疲れでクタクタな彼らでしたが、なんと100人近い中国語圏の人が話を聞きにきてくれていたのです。欧米、その他の人を含めれば200人近くの海外からのサポーターがいるのではないかとの話です。

 もちろん、わが瀬戸内のこえび隊も参加しています。どうして、こんなことがおきているのだろう! 以前「海民の世界から見直す日本文化」という大林太良、鶴見良行、網野善彦の対談で(「海と列島文化」付録)、「動く漁業」、「流れ漁業」、「半農半漁」について話し合われていたことを思い出しました。ここでは農業に比べて漁業や海民は大切にされてこなかったと話されていました。そして同時に宮本常一の師である渋沢敬三が「沖縄は島だから、たしかにまわりから孤立する一面もあるけれど、島だからこそ、周囲と非常に深い交流がある」と言っていました。意味深長な発言です。

 グローバリゼーションは私たちが直面している現実です。そこでは顔の見えない平均化、画一化が進行しています。それゆえにその中身を検討し、私たちができることを、勇気をもってやっていきたいと思うのですが、瀬戸芸の福田で始められた活動が、ささやかに花開いていくことを願うことしきりでした。

(アートディレクター)

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