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瀬戸内物語 北川フラム

(52)読みづらい名字、地名 土地の奥行き伝える

2015/05/30

「讃岐難読地名」の一部(発行:高松大学・高松短期大学生涯学習教育センター)

「讃岐難読地名」の一部(発行:高松大学・高松短期大学生涯学習教育センター)

 香川に通い始めたころ、お会いする人の姓が読めなく困ったことがありました。それだけではなく、初めて目にする名字も多かったのです。

 この原稿は、石川県能登半島の突端の珠洲(すず)市で書いているのですが、この離れた場所が意外と瀬戸内と似たところが多く、やがて「なるほどな」と思う基盤があるのです。海に山が迫っていて漁業と農業を兼ねた第1次産業従事者が多くおられること、さらに東西の文化の交流拠点であったことです。北前船をとってみても、能登は日本海に突き出た場所だし、瀬戸内は船水主(かこ)を輩出しており、北前船の最終地点だったわけです。漆、土の産業が強いのも共通です。ともに源平の故事が多く、獅子舞もあります。特筆すべきは発酵文化の奥行きが深く、うまいこと。塩のせいですね。

 ここでは判読困難な名字、地名が多いことについて書きます。「珠洲」という市の名前からしてそうですが、昨日巡った集落だけでも古蔵(ふるくら)、出田(すった)、経念(きょうねん)、雲津(もず)、高波(こうなみ)、直(ただ)、日置(ひき)、宝立(ほうりゅう)とあって、今までの私の経験では半分ぐらいしか正しく(?)読めません。その珠洲巡りの中で、わが讃岐を思い出してしまうのです。

 先日行われた高松大学・高松短期大学生涯学習センター文化講座「瀬戸内国際芸術祭の楽しみ方」で大学に伺った時、壁に「讃岐難読地名」という相撲の番付表に似た紙が貼ってありました。年寄は高松大学・高松短期大学生涯学習教育センターと書いてあり、さっそく行司でもある佃昌道学長にお話を伺いました。

 まず、この番付をじっくり見てください。香川の若い友人たちに聞くと住居の近くにあるところは普段から呼び慣れ、聞き慣れているから分かるが、他の場所はほとんど分からない、読めないというのです。皆さんも自己採点してみてください。

 この話をしていたら「高松市に『凹原』というところもあるよ」と、地元の方。遺跡の名前にもなっているそうですが、みなさん読めますか? 答えは「ひっこんばら」です。

 このような独特の地名は、基盤にある歴史・文化の厚さによります。またさらに、昔から多くの人がこの地を往(い)き来してきたことによるのでしょう。

 次に名字ですが、ここは森岡浩さんの「県別名字ランキング辞典」(東京堂出版)に従って書きます。森岡さんは学生時代から独学で姓氏研究を実証的にやってこられた方で、全国の電話帳にあたって名字分布を姓氏研究のベースにしておられます。最近は携帯電話が普及し電話帳に登録しないので、どういう名字が多いかその数が分かりにくくなっているそうですが、それによれば、香川で一番多い名字は「大西」姓だそう。これは全国98位にすぎず、宮崎の「黒木」、沖縄の「比嘉」と並んで異彩を放っています。そのルーツは阿波国三好郡大西(現徳島県三好市)で、戦国時代、大西頼武(よりたけ)は土佐北部から讃岐の豊田郡まで勢力を伸ばしていました。2位以下は全国ランキング上位と近く、7位の「多田」姓がユニークだそうです。これは摂津国川辺郡多田庄(現兵庫県川西市)が出自です。他の特色では徳島にも多い「長尾」「岡」で、「真鍋」「藤田」「石川」「合田」は東予と似通っており、また「川田」「溝渕」は接していない高知と共通しているそうです。いかにも香川県らしい名字として「香川」「宮武」「香西(こうざい)」「福家(ふけ)」「十河(そごう)」「六車(むぐるま)」「宮脇」がありますが、ここではその由来は割愛します。ことほど、地名・名字はその土地の奥行きを表しているわけです。地名・名字は地霊でもあるのです。

(アートディレクター)

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