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瀬戸内物語 北川フラム

(50)来年の瀬戸芸  生活映す「食」にも力

2015/03/28

さわらの押し抜き寿司

さわらの押し抜き寿司

 それにしてもこの春の靄(もや)はどうしたものでしょう。私の空路での香川入りは、2時間近くグルグル滞空していたし、帰りもなかなか離陸しなかったのです。当然、海路は大変で動けない時間が多く、これが4日間続きました。こんなことは24年ぶりだそうで、全国的な暖かさが続いた後、これを書いているここ新潟県の豪雪地、越後妻有では季節外れの雪が降り続いている三寒四温というにはあまりに激しい転調です。雪国でも異変は頻度を増しています。

 来年に迫った瀬戸内国際芸術祭のアーティスト選定が始まっていますが、公募点数が約800近くあり、レベルの高い面白いものが多く、うれしくなりました。海外からの応募が多く、瀬戸芸の人気が高いことがわかります。準備と言えば「食」のことです。次回にはアートがますます良くなることが基本ですが、食に力を入れたいと思っています。その土地と気候がそれぞれの土地の食の特徴となるのは当然ですが、それぞれの土地のファンをつくるのは食です。食こそが何度も訪れるリピーターを生んでくれるのです。食には地域のすべてが投入され、生活の全体が食から見えてくるようです。例えば「讃岐三白」の砂糖。

 香川の食の話になるとよくでてくるのは「あんもち雑煮」です。「讃岐うどん」は米が採れにくい土地の生活がベースになっているのと同じように、さとうきびの「折りこみ」から始まり、以前は借耕牛とともに石車をひいた「砂糖締め」、汁をたいて石灰を加えて煮詰めて冷やす「白下糖」から重石をかけたりする工程を経て精妙な「和三盆」にいたるまでのこだわりが、白味噌(みそ)の汁のなかに入れる白下糖入りのあんこであることを知れば、まこと讃岐の正月は「あんもち雑煮」で始まることが理解されるのです。

 この稿は1990年発行の農山漁村文化協会による「聞き書 香川の食事」を参考にして書いているのですが、それによると瀬戸内を代表する「サワラ」も白下糖と深く結びついているようです。やがて来るサワラが群れをなして泳ぐ頃を「魚島(うおじま)どき」と呼ぶ土地の人たちは、何が何でもサワラを買い、タタキ、刺し身、焼く以外に寿司(すし)や吸いもの等にしていろいろ食べるのです。これを魚(さかな)初穂(ばつつお)といいますが、このすし飯の味付けに重要なものも白下糖なのです。

 うどんだけではない讃岐の食を、その風土のなかに位置付けながら、お客さんに食べていただく、その味に皆がニンマリし表情がゆるやかになるサービスも、これを全部の場所でやれるように皆で協力しましょう、と動き始めました。私も「フラム塾」という形式で6月からやります。

 香川県観光協会会長・香川県ホテル旅館生活衛生同業組合理事長の三矢昌洋さんと相談し、2013年に沙弥島、伊吹島、本島それぞれの土地の特色を生かした「島スープ」で大人気だった食のアーティストEAT & ART TAROさんを中心に、一回ごとに場所とレストランを変えながらどういう工夫がありえるかを中心に実践的な講習を8回行う予定です。

 料理技術の指導ではなく、場にふさわしい、お客さんに魅力のある食をどうしたら提供できるかが中心になります。豊島の「島キッチン」、小豆島中山の「こまめ食堂」、福田の「アジア食堂」、越後妻有の「大地の芸術祭」に出張して「うぶすなの家」、「里山食堂」でも実地研修を行います。講師陣も、丸ノ内ホテルの山口総料理長、新宿調理師専門学校の上神田校長など多彩です。全国から公募しますが、ここから地域に入り頑張り工夫して土地の食を提供できる人材の育成を始めたいと思うのです。

(アートディレクター)

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