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瀬戸内物語 北川フラム

(43)アートの力 国境超えたつながり生む

2014/08/30

福田「家プロジェクト」きょく 陳宣誠+徐佳伶

福田「家プロジェクト」きょく 陳宣誠+徐佳伶

 ART SETOUCHI 夏の会期に、小豆島の福田集落の「福武ハウス」に行きました。芸術祭会期の狭間ではありますが、旧福田郵便局舎を台湾歴史資源経理学会チームが丁寧に活用していたのと、旧福田小学校校舎内ではタイのナウィン・ラワンチャイクンさんによる絵と人間の姿を思わせるビンの魅力的な展示、また一室を使った福田地区の石切丁場の写真や道具の展示、タイと台湾の料理を提供しているアジア食堂、それぞれに美術のもつ力と海外との交流の意味深い実践が確かに感じられたことを報告しておきましょう。

 丘如華先生が秘書長の台湾歴史資源経理学会は、台湾のハンセン病療養所や産業遺産などの施設の研究・保存などを行っている組織でありますが、アジア諸国の美術関係財団のネットワークによって、地域に深く分け入り、今は使われない施設などを媒介に地域を活性化していこうという。福武財団の企画に賛同し、今回のプロジェクトに相当の資金を調達して関わってくれています。

 旧郵便局舎の室内に入ると、台湾と日本の郵便事情の共通性と違いが分かって面白い。日本は郵便ポストをはじめ、赤ですね。台湾は緑なのです。そして感銘を受けたのは、台湾から2人の青年が来ていて、とつとつとした日本語で説明してくれるのです。

 校舎の一室での石切丁場に関する展示も勉強になるものでした。役場の職員が頑張ったもので、写真や道具のひとつひとつが、島の産業の深さを伝えてくれていました。このような作業が各地で行われていると素晴らしいですね。

 体育館に付設されているアジア食堂では、台湾の「ルーロー飯」やタイの「グリーンカレー」という料理も地元の人が各国のシェフから引き継いだもので、おいしかったです。

 福田でのアジア各組織との活動は、国と国との交流だけではない、具体的な一人ひとりや集落という実体的なつながりこそが大切だということを教えてくれます。この活動がオーストラリアで開かれたアーティスト・イン・レジデンスの世界大会で大いに評価された理由が分かる気がします。

 日本政府が国を挙げて外国人旅行者を増やそうとして、2020年に現在の倍の2千万人にしようとしていますが、そのなかで地に足が着いた活動がますます重要になってきます。地形、自然、気候という特色だけではなく、歴史的な資源、さらにそれだけではなく、それら各地の生活の魅力が伝わり、具体的な人と人のつながりが、政治情勢や社会的流行を超えて行かなければ、未来は明るくなりません。先日、瀬戸内国際芸術祭の幹事会が開かれ、他地域、多ジャンルとの連携・交流が次回2016年の芸術祭では大切だと確認しました。

 今や瀬戸内国際芸術祭は美術の催しとしてだけではなく、日本を代表する、地域発の催し物・地域づくりとして評価されだしていますし、その試みは外国、特にアジアの諸地域のモデルになりつつあります。

 先般、私は台湾の宜蘭に講演と視察に行ってきましたが、台湾各地から人が集まってきてくれましたし、そこで行われている地域づくりは、まさに美術をベースにしたもので、そこには豊島で設置されていた林舜龍さんの「国境を超えて・海」という作品が運ばれていて人気でした。

 地域を基盤にしたアートは確実に国境を超えたつながりを生んでいることを実感した次第です。バングラデシュの「ベンガル島」が高松港で開かれたり、瀬戸内国際芸術祭は海を通して他所の地域とつながり始めていますが、これからは山の方とも交歓したいと思います。芸術祭が閉鎖的で元気のないこの国の状況のなかで開かれていくことを切に願うこのごろ。そして、地域の深さにもますます入っていきたく思うのです。

(アートディレクター)

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