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瀬戸内物語 北川フラム

(34)地域を表す「食」 多様な生産品が魅力

2013/11/30

香川を代表する特産「伊吹いりこ」の加工場(資料)

香川を代表する特産「伊吹いりこ」の加工場(資料)

 瀬戸内国際芸術祭2013が終わり、その成果と分析が行われています。全国紙の社説に「セトゲイの成功に学ぶ」と掲載され、セトゲイが通り名になりつつありますが、私は芸術祭と言うことにします。

 今回はその中での食べ物の話をします。食べ物が地域をよく表し、食べ物でのリピーターが一番のファンです。芸術祭のお客さんから意見が多いのは、「魚がなかなか食べられない」「果物、野菜がいいねえ」です。

 私は、この7年間で500日くらい香川県にいました。そのなかでできる限りいろいろな定食屋さんに通いました。最初は「まんばのけんちゃん」なんて全く知らなかったのですが、今では「百貫の雪花」も知っています。しかし、どうしてそんな呼び方をするのでしょう?。「坂出三金時」とか不思議な言い方が多いのも特色です。

 特色と言えば独特なおいしい食べ物の生産量が少ないこと。野菜だけではありません。レタス、タマネギ、ニンニク、アスパラ、オリーブ、ピオーネはともかくとして、幸水(ナシ)、香粋(キウイ)、さぬきエンジェルスイート(キウイ)、さぬきひめ(イチゴ)、小原紅早生(ミカン)、白凰(モモ)、等々。時々行くお店ではデザートにこれらを出してくれるのですが、とてもおいしい。しかし全国的には知られていません。

 これは果物、野菜に限らない香川県の特質のような気がします。土地が少なく大規模に展開できないからです。例えば、香川県産物の生産額を全国順位で見れば農業38位、畜産32位、水産20位。県面積47位、人口40位に比べれば健闘しているのですが、いかんせん強力なものになりにくい。だから、うどんだけが表にでます。だが、老舗がないという弱点があります。うどんも、もともと製麺所に玉を買いにいって、家で食べるものでした。

 しかし、これこそが香川の利点なのです。香川は小県ながら、それぞれの生産品に工夫を重ねています。品数が豊かなのです。これをよく表しているのが漁業で、市場での取引単位が小さい。底引き網、まき網漁などでは魚種、サイズがさまざまで、これが年間を通して重なり合っています。競り下げというセリのスタイルにもそれが表れています。香川に来られた人々は、この多様で豊かな魚や野菜、料理を食べたいのです。

 香川県では地産地消を政策として掲げていますが、これが大切で、観光客にも県民がもつ、このような気分に浸ってもらいたいのです。消費者と生産者の顔が見える旬なものをバランス良く食べられる関係のなかに、観客が入り込んでくるのがよいのです。実際にいくつかの島ではそうなりつつあります。

 私は香川に通って仕事をするようになって、香川県を通して日本列島についてよりよく知ることができました。狭い土地に海岸線が多く、海からの着地点が多いことによる多様な文化と、漁、農、ものづくりを内に含んだ人々の可能性についてです。

 香川には約1万4千のため池と約1200キロの農業用水路があります。狭い土地の活用と工夫です。これが私たち日本列島の普遍的な姿なのです。「海の復権」を願うとともに、内陸の農とのつながりをますます深めたいと思います。

 最後にうれしい話をひとつ。この夏、伊吹島に1人旅行した被災地・東北のご婦人が、いりこのだしの味を知って、地元の名品市場に伊吹島からいりこを仕入れて宣伝したそうです。有名な割にはその味が知られていなかった。いりこはアートとともに東進したのです。

(アートディレクター)

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