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瀬戸内物語 北川フラム

(3)私たちにできること 「つながる場」提供したい

2011/03/26

3月12日に行われた男木中学校の休校式。多くの島民、卒業生が思い出を振り返り、休校を惜しんだ

3月12日に行われた男木中学校の休校式。多くの島民、卒業生が思い出を振り返り、休校を惜しんだ

 3月12日、高松市の男木中学校で休校記念式が執り行われました。3人の生徒を送り出した卒業式の後、校長先生やPTA会長、歴代の校長先生や卒業生、それに自治会長さんをはじめ、地元の大勢の人々がこの中学の思い出を回想し、懐かしんだのです。時代を追った写真の上映とともに、こえび隊による音楽隊が「ふるさと」「喜びも悲しみも幾歳月」「われは海の子」「仰げば尊し」を演奏して、みんなで合唱しました。

 いつか再び開校することができるのでしょうか? あるいはいつの日かのために、私たちにどれだけの活動ができるのでしょうか?

 1884(明治17)年に男木弘文小学校として開校し、1947(昭和22)年に新制中学が併設されて以来(当時の在校生は54人)、60回目の卒業式を迎えて、2回目の休校になるそうです。

 地域の人々が減少すると土地や建物が荒廃し、コミュニティーが弱くなってしまいます。学校が休校や廃校になることは、地元の元気にとって決定的です。休校は廃校と違って、まだ学校に通う子どもがいるということですが、廃校になった地域で建物が壊されると、もう展望がありません。建物をどう生かすかがそれからの課題になります。廃校や家屋を生かし、交流し、その後の定住への布石を打つことが重要なのです。

 男木島では昨年の芸術祭以来、そのための動きが始まりだしました。このゴールデンウイーク中に、ジャウメ・プレンサさんの「交流館」で結婚式を挙げ、島内の神社まで島の人たちと練り歩き、海を渡って、女木島のレアンドロ・エルリッヒさんのレストラン「イアラ」で披露宴を予定しているカップルがいます。この計画をサポートしているのが、こえび隊です。まさに「瀬戸の花嫁」。このような動きが、少しずつ現況を変えていくのだと思うところから始めていくしかありません。

 私は休校式後、豊島に渡って、作品についての打ち合わせをし、その前後にこえびのみなさんと芸術祭後の運営や27日から始まる春イベントについて相談しました。この冬の寒間の中での運営は大変だったと思います。しかし彼らの士気は旺盛で、こうして次回の芸術祭へ向かって着実に準備をしているのです。

 私は今、この文章を東京で書いています。

 実は高松での2晩、東北や妻有(つまり)(新潟)との連絡で眠れませんでした。東日本大震災で多くの人々が被害に遭い、心配しています。また、手伝いの申し出も随分寄せられます。私たちは自らを守り、地域で生き抜き、全体では生きていくための反省をし、算段を立てていかなければならない時期に来ているのです。

 私たちは長い間、おおむね平安の中で生きてきました。しかし、震災だけでなく、戦争(殺し合い)の心配も出てきたし、家庭内にさえ、人殺しが入ってきています。それは、力のある人、弱い人、お年寄り、赤ちゃんといった、さまざまな人が生きている場に、「力」という要素が決定的に入ってきたということなのです。今やその力は、効率的という指標と密接です。

 瀬戸内国際芸術祭が目指すものは、「人それぞれが生きている場で平安に暮らすことに価値を置いた、つながりの場を用意すること」です。そこでは、力ではない、人それぞれの価値に最大限の敬意が表されるのです。東北地方を中心とした震災で、多くの人命が失われ、いまなお多くの安否が不明です。私たちの生活に利便性をもたらしていた原発への不安や不信も生じています。それらを心配し、節電からでもと協力する全国の人々がいます。男木中学の休校や妻有の施設の倒壊という現実に直面し考えることは、共に生きていくための関係性のあり方なのです。

(アートディレクター)

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