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長谷川幸洋のニュース裏読み
米朝首脳会談の行方 中国が陰の主役に
2018/05/29更新
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 朝鮮半島情勢が激しく動いた。米国のトランプ大統領が米朝首脳会談の中止を決めた後、北朝鮮は一転して低姿勢になり、再び会談開催への機運が高まっている。

 首脳会談の開催は流動的だが、私は開かれたとしても、非核化をはじめ成功と言える結果を得られるかどうか、疑わしいと思っている。

 なぜかといえば、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が根本的に態度を改めて、国際社会と調和していく決意を固めているとは思えない。一方、トランプ政権も中途半端な妥協をしそうにないからだ。

 結局、首脳会談は開かれたとしても、物別れに終わる公算が高いのではないか。正恩氏がいくら非核化を口にしてみたところで、本気が証明されない限り、トランプ氏は途中で席を立つだろう。

 最近の経過を振り返ると、もともと米朝首脳会談を求めたのは北朝鮮の側だった。経済制裁の効果もあるが、正恩氏が「軍事攻撃による命の危険」におびえたからだ。

 ところが、中国に強気をそそのかされて、北朝鮮は米国批判を強める。トランプ氏が会談中止を決断すると、途端に哀願姿勢に変わり、正恩氏は韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と南北首脳会談を開いて仲介を頼んだ。そんな展開である。

 トランプ氏は6月12日のシンガポール会談へ前向き姿勢に転じたが、これは「いつもの駆け引き」に違いない。周囲の期待を高めて、相手の逃げ道を封じているのだ。

 北朝鮮が心底から態度を改めた様子は見られない。外務省高官は「核対決」などと物騒な言葉を使って、迷走のきっかけを作った。「非核化」の具体的中身は一切、言わない。さらに見過ごせないのは、拉致問題の解決を求める日本を批判している点だ。

 拉致と核・ミサイル問題はともに「隣国の平和、国民の生命、財産を脅かしている」点でまったく同じである。すでに起きた犯罪である拉致問題のほうが悪質と言ってもいい。拉致を解決する姿勢がないのは、すなわち核とミサイルで他国を脅かす意思に変わりがない証拠なのだ。

 一方、トランプ氏の決意はイラン核合意からの離脱によっても示されている。イランも北朝鮮も秘密裏に核開発を続けて、国際社会から制裁を受けた。トランプ政権が離脱したのは、イランとの合意が期限付きで、抜け道のある甘い内容だったからだ。

 同盟国である欧州各国が反対したにもかかわらず、離脱したのは「いい加減な合意は認めない」という大統領の強い決意の表れである。北朝鮮問題でも、トランプ氏は同じ姿勢で臨むだろう。

 正恩氏は米国のキャンセルに狼狽(ろうばい)して首脳会談を哀願した時点で劣勢に立たされてしまった。追い詰められた正恩氏がまた支援を求めて、中国の習近平国家主席に会いに行く可能性も否定できない。

 トランプ政権は最終的に合意できない場合、どうするだろうか。軍事的解決も視野に入れて「最大限の圧力路線」に戻るのは間違いない。そのとき「中国ファクター」はやっかいな要因になる。

 習氏が2度の会談を通じて正恩氏の後ろ盾になる姿勢がはっきりした以上、トランプ氏は中国を無視して強硬路線をとりにくくなった。米朝首脳会談の中止発表直前に、中国との貿易戦争を棚上げしたのは、その表れだ。

 ここから先は米国と北朝鮮、中国と三つどもえの駆け引きになる。安倍晋三政権も目が離せない。

(四国新聞特別コラムニスト)

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