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長谷川幸洋のニュース裏読み
言葉が踊った南北合意 何も約束していない
2018/04/29更新
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 韓国と北朝鮮の南北首脳会談が27日、軍事境界線の板門店で開かれ、両首脳は共同宣言で「朝鮮半島の完全な非核化」を宣言した。これが核・ミサイル問題の解決につながるのだろうか。

 一歩前進とはいえ、私は悲観的だ。いつ、どうやって非核化を達成するのか、肝心の工程表が示されていないからだ。時期を明示しない約束は「何も約束していない」のと同じである。

 北朝鮮は何度も約束を反故(ほご)にしてきた。1991年には非核化をうたった南北宣言にも署名しながら結局、一方的に白紙に戻してしまった。

 声明には、北朝鮮の真の意図をうかがわせる部分もある。それは「南と北は…互いの軍事的信頼が実質的に構築されることに従い、段階的に軍縮を実現していく」とうたった部分だ。これと「核のない朝鮮半島を実現する」という文言を合わせて読めば「非核化を段階的に実現していく」という話になる。

 何年もかけて「段階的に非核化する」となったら、その間は舞台裏で秘密裏に核開発が続いてしまいかねない。時間稼ぎが狙いなのだ。

 さらに「朝鮮半島の非核化」とした部分も問題だ。

 北朝鮮は核を保有しているが、米国はブッシュ(父)政権時代の91年、韓国から最終的に核兵器を撤去した。だから、米国にとって半島の非核化とは「北の非核化=核兵器撤去」である。だが、北は「米軍基地から核が撤去されているのか、自分たちが査察する」と言い出すだろう。

 それは北朝鮮軍人が「米軍基地を立ち入り検査する」という話であり、その先には米軍撤退要求もある。米国は受け入れられないはずだ。

 米国のトランプ大統領は南北合意をそれなりに評価しながらも「時が経(た)ってみなければ分からない」とツイートし、慎重な姿勢だ。

 ポンペオ国務長官やボルトン大統領補佐官など対北交渉の実務者を強硬派で固めた点からみても、非核化を実現する具体的日程と手順が明確にならない限り、合意しないだろう。鍵は国際原子力機関(IAEA)、それにおそらく米国の専門家による査察がいつ実現するか、である。

 こうしてみると、今回の南北首脳会談は一見、前進したように見えるが、実は従来とほとんど変わっていない。言葉は踊っていても、北朝鮮は何も譲っていないのだ。

 トランプ政権は「騙(だま)され続けた過去の失敗を繰り返さない」と明言している。そうであれば、米朝首脳会談は中止の場合を含めて、開かれたとしても決裂する可能性は十分に残っている。

 日本はどうすべきか。

 一部には「日本は蚊帳の外に置かれている」と安倍晋三政権を批判する声がある。それはまさに「批判のための批判」だ。金正恩(キムジョンウン)政権が対話に降りてきたのは、日米が最大限の圧力で足並みをそろえた成果ではないか。

 だからこそ、安倍首相はトランプ大統領に「中・短距離ミサイルの脅威にさらされている日本を忘れるな」と訴えることができる。一部野党議員は「日本は米国と合同軍事演習をすべきでない」などと言っている。「米国とは一線を画すけど、日本は守ってくれ」などという都合のいい話が通用すると思っているのだろうか。実に無責任だ。

 日本人拉致被害者についても大統領は「自分にできることはなんでもする」と言っている。これ以上の強い言葉はない。ここは米国を強力に後押しする局面である。

(四国新聞特別コラムニスト)

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