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長谷川幸洋のニュース裏読み
安倍首相訪韓 対北宥和姿勢に歯止め
2018/01/28更新
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 安倍晋三首相が平昌五輪の開会式に出席するため、韓国を訪問する。訪韓見送りを促す声が高かった中、あえて行く決断をしたのはなぜか。

 韓国の文在寅(ムンジェイン)政権は慰安婦問題で日本に「首相の謝罪」という新たな要求を突き付けた。2015年の日韓合意を事実上、見直す姿勢と言っていい。「そんな韓国に首相が出向く必要はない」という意見は十分、理解できる。

 にもかかわらず、安倍首相が訪韓を決めたのは、表向きの南北宥和(ゆうわ)ムードにもかかわらず、水面下では緊張が一段と増す中、韓国の「対北宥和姿勢」に歯止めをかける狙いがあるからだ。

 韓国はこのところ急速に宥和路線に傾斜している。平昌五輪問題では、北朝鮮と女子アイスホッケーの南北合同チーム結成や開会式の合同入場行進、応援団・芸術団の受け入れ、北朝鮮でのスキー合同練習などに合意した。

 加えて、先にカナダで開かれた北朝鮮問題に関する外相会議では、韓国外相が北朝鮮に対する人道支援再開を繰り返し訴えた。そんな中での慰安婦問題見直しである。

 一連の対北宥和姿勢と慰安婦問題の見直しは連動しているとみるべきだ。一言で言えば、文政権は日米の対北包囲網から距離を置いて、なんとしても米国の軍事攻撃を阻止したいのである。

 平昌五輪・パラリンピックが終わる3月下旬以降は米韓合同軍事演習が予定されている。「そのまま実戦に突入するのではないか」という観測さえある。そんな局面で日本はペンス副大統領を送り込む米国とともに韓国の姿勢にクギを指し、対北包囲網につなぎ止める。これが一つ。

 さらに、日本は在韓邦人退避問題を抱えている。政府は昨年来、有事の際に在韓邦人を日本に退避させるために、自衛隊の陸上部隊や艦船、航空機の派遣を韓国に打診してきた。ところが、韓国側が応じていない。

 日本の実力部隊に対する拒否反応に加えて、そもそも、文政権は有事発生の可能性を認めていないからだ。議論すらしたくないのである。

 邦人の安全確保が日本の最重要課題であるのは言うまでもない。そこで首相自ら文大統領に協力を求める。そのための訪韓である。大統領は要請を受け入れるだろうか。

 もしも受け入れないなら、文政権は日本人を「人間の盾」に使う思惑があるとみていい。在韓邦人が残っていれば、米国に攻撃をためらわせる効果がある。そうであれば日本に対する「二重の裏切り」ではないか。ここは毅然とした態度で臨んでほしい。

 首脳会談で邦人退避問題を取り上げれば、韓国と北朝鮮に対する最後の警告になる。「米国は本気だ。だから日本人が退避するのだ」というメッセージである。

 逆に文政権が要請を受け入れれば、北朝鮮には打撃だ。米国が攻撃準備に入ったサインになるからだ。韓国は日米の側に立つのか、それとも北朝鮮の側に立つのか。これは文政権に決断を迫るリトマス試験紙でもある。

 米国のポンペオCIA長官は「北朝鮮ミサイルの米本土到達能力は数カ月先」との認識を示した。つまり、猶予はあと数カ月しかない。

 いまや朝鮮半島危機はここまで来た。開会式前後には日韓、米韓だけでなく日米韓の3カ国首脳級会議が開かれる可能性もある。北朝鮮の目と鼻の先で開かれる会議は、北に大きな圧力になるに違いない。

(東京新聞・中日新聞論説委員、四国新聞特別コラムニスト)

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