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長谷川幸洋のニュース裏読み
加計問題の本質 文科省の徹底改革を
2017/07/02更新
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 加計学園問題が続いている。野党は真偽が定かでない内部文書にこだわるが、もっと重要で根本的な課題が残っている。文部科学省が告示で獣医学部などの新設を門前払いしている問題である。現状を放置していいのか。

 もう一度、出発点に戻ってみよう。加計学園はなぜ愛媛県今治市に獣医学部を新設しようとしたか。獣医の仕事に将来性があるうえ、四国に獣医学部がなかったからだ。

 鳥インフルエンザ対策を持ち出すまでもなく、獣医の役割は重くなっている。生命科学の発展で研究領域が広がる一方なのに、日本の獣医学部は国際的にみても後れを取っていた。四国4県の知事はそろって誘致運動した。

 それなのに、なぜ半世紀以上も獣医学部を新設できなかったかといえば、文科省が門前払いしていたからだ。

 学校教育法第3条は大学設置について「設置基準にしたがって設置しなければならない」と定めている。文科省は本来、設置基準を定めて審査する立場である。だが文科省は基準を示すことなく、獣医学部と歯学部、医学部の新設を認めてこなかった。

 その理由も定かでない。私は過去に遡(さかのぼ)って関連資料を調べてみた。見つかったのは2002年の中央教育審議会答申である。そこでは「人材養成目標を概(おおむ)ね達成した」「人材需給に関する政策的要請がある」という2点を門前払いの理由に挙げていた。

 それから15年が経(た)ち社会も獣医学も変わった。動物の疫病対策をする公務員獣医師は不足している。文科省の専門家会議も獣医学教育の立ち遅れを厳しく批判していた。それでも文科省が態度を変えなかったのはなぜか。

 一言で言えば、日本獣医師会が反対していたのに加えて、大学の許認可権限こそが役人の天下りを保証していたからだ。獣医師の数が増えれば獣医師の報酬が減る。文科省は大学に頭を下げさせる仕組みを維持したかった。

 中教審答申にある「人材需給に関する政策的要請」とは結局、報酬を減らしたくない業界と天下りを維持したい役所の談合ではなかったか。

 これは他の業界でも見られた官業癒着の構図だ。文科省に特異なのは、法の規定を無視して役所が勝手に門前払いしてきた点にある。告示は法令ではない。ただの国民に対する「お知らせ」だ。

 小泉純一郎政権以来、規制改革は「事前規制を廃止し事後チェックに転換」するのが基本になった。にもかかわらず、文科省の告示規制は旧態依然で生き延びていた。改革をサボっていたのである。これほど露骨な規制はいまや霞が関でも他に例がない。

 だからこそ、霞が関では前川喜平・前事務次官の反乱に支持が広がっていない。「仕事をサボっていた官僚が次官を辞めた後で何を言っているのか」とシラケている。

 流出文書を書いたとされる文科省の課長補佐は会議で「(獣医学部を新設したいなら設置希望者が)需要見通しを示せ」と発言している。とんでもない話だ。民間は自分がリスクを背負って事業をしている。こんな役人の勘違いを許していてはいけない。

 安倍晋三首相は6月24日、講演で「中途半端な妥協が疑念を招く一因になった。今後は速やかに全国展開を目指す」と語った。それには特区を全国に増やす手法もあるが、それより時代遅れの告示を撤廃すべきだ。合わせて文科省の徹底改革、解体的出直しが必要である。

(東京新聞・中日新聞論説委員、四国新聞特別コラムニスト)

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