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長谷川幸洋のニュース裏読み
金正男氏暗殺 中朝関係に注意必要
2017/02/27更新
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 東アジア情勢がにわかに緊迫している。北朝鮮が弾道ミサイルを発射したかと思えば、金正恩(キムジョンウン)指導者の異母兄である金正男(キムジョンナム)氏がマレーシアで暗殺された。中国をはじめ各国の出方によっては、地域の大激動を予感させる。

 暗殺事件の全貌はあきらかになっていないが、これまでの報道を見る限り、北朝鮮が深く関わっていたのは疑いの余地がない。マレーシアは北朝鮮と国交を結び、外交関係を築いている。だが、事件をきっかけに両国関係は緊張した。北朝鮮にとっては手痛い外交上の失点である。

 最大の焦点は中国が事件を容認していたのか、それとも寝耳に水だったのかだ。知っていて容認したのだとすれば、中国は北朝鮮に不満があっても「金正恩と一蓮托生(いちれんたくしょう)でやっていくしかない」と覚悟を決めた形になる。

 だが事件を知らなかったのだとしたら、話はまったく別だ。正男氏は「北京と(その特別行政区である)マカオで大半を過ごしてきた」と述べていた。つまり中国は事実上、正男氏を保護してきた。

 中国とすれば、金正恩氏に万が一のことがあれば、あるいは正恩氏を自ら「除去」せざるをえない事態になれば、後釜として正男氏を考えていたはずだ。だからこそ保護を与えてきた。

 そんな正男氏を北朝鮮が暗殺したのだとすれば、正恩氏は中国に対して挑戦状を突き付けたも同然である。「もうオレと付き合う以外にないんだぞ」という宣言だ。中国は北朝鮮に対する切り札を失ってしまった。このまま放置できないだろう。

 私は「寝耳に水説」のほうがもっともらしいと思う。なぜなら、自らカードを捨てる結果になる暗殺をいま容認する理由がないからだ。

 中国はミサイル発射に対する制裁の一環として北朝鮮からの石炭輸入を年内いっぱい、禁止する措置を発表した。これには「暗殺事件を容認しない」というメッセージが込められているかもしれない。

 そうだとすると、今後の中朝関係にはこれまで以上に注意が必要だ。中国はさらに一歩踏み込んで北朝鮮に圧力を加える可能性がある。

 それは米国ファクターも大きい。先の弾道ミサイル発射は実験の域を超えていて「実戦配備目前の段階」という見方もある。米国を射程にとらえてはいないが、米国とすれば、北の脅威は放置できない段階に達しつつある。

 もしも米国が北朝鮮に対して正恩氏の除去を含む強硬策を選択した場合、中国は国境沿いに米軍の浸透を許す結果になりかねない。中国はそれを絶対に許容できないだろう。そうなる前に中国自身が動く可能性がある。

 いずれにせよ、金正男氏の暗殺事件は東アジアの秩序を揺さぶった。はっきりしているのは、北朝鮮の外交的孤立が一層、深まった事実だ。数少ない友好国であるマレーシアとは緊張し、中国をも敵に回しつつある。

 追い込まれた北朝鮮はどうするのか。日本としては、暴発に備えて自前の防衛力を強化するのは当然である。

 私は当コラムでも他のメディアでも、かねて日本自身が敵基地攻撃能力を備えるべきだと唱えてきた。国会内外で議論を始める機運が高まってきたのは結構なことだ。

 攻撃にもリスクが伴う。事が起きたときに自分は身を低くして身構え、攻撃はすべて米軍まかせで済むのか。防衛力と抑止力のバランスをしっかり考えたい。

(東京新聞・中日新聞論説副主幹、四国新聞特別コラムニスト)

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