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長谷川幸洋のニュース裏読み
トランプ大統領の真意 世界秩序のリセット?
2017/01/30更新
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 米国のトランプ大統領は何を目指しているのだろうか。日本の自動車を標的にした通商問題や中国との関係、欧州の安全保障をめぐる言動は戦後の世界秩序に根底から挑戦しているかのようだ。

 まず自動車問題である。トランプ大統領は選挙戦最中から日本の自動車を目の敵にしてきた。「38%の関税をかける」と発言したこともある。最近でも「我々(われわれ)の輸出が難しいのに、日本は大きな船で何十万台も輸出している。不公正だ」と語っている。

 結論から言えば、米国が日本車に高関税を課すのは難しい。北米自由貿易協定(NAFTA)の下で、メキシコから米国への自動車輸出は関税ゼロだ。仮に同協定から脱退しても、世界貿易機関(WTO)ルールが適用されて乗用車の関税は2・5%が上限になる。

 大統領は関税と言わず「国境税」という言葉を使っているが、実質的に貿易を阻害するならWTO違反になる可能性が高い。明確な違反と認定されなくても、米国がそんな抜け道を使い始めたら、たちまち真似(まね)する国が現れ、自由貿易は腐食してしまう。

 WTOからも脱退するようなら最悪だ。米国が自由貿易を止めるのと同じであり、保護主義が完全復活する。

 もっと心配なのは、対中国外交である。トランプ大統領は台湾の蔡英文総統からの大統領就任を祝う電話を受けただけでなく「『一つの中国』に縛られるのはおかしい」と繰り返し発言している。

 「一つの中国」とは、中国が「台湾は中国の一部」と主張している考え方だ。米中間で交わされた1972年の上海コミュニケに明記され、米中国交樹立の基礎になった。

 米国は同じコミュニケで「台湾海峡の両側の中国人が中国は一つであり、台湾は中国の一部と言っているのを認識し、これに異を唱えない」と認めている。

 当時の台湾は「台湾が中国の正統政府であり、中国の一部」という立場だったので、米国は双方の立場を認識しただけとも言える。とはいえ、大統領発言は中国の立場に真っ向から挑戦した形だ。

 それから欧州である。

 大統領は北大西洋条約機構(NATO)が定めた米国による欧州防衛義務を履行しない可能性を示唆している。「バルト3国が条約上の義務を果たしているかどうか」を検討したうえで、米国が防衛するかどうかを決めるという。

 バルト3国の防衛負担を念頭に置いた発言だったが、欧州各国には「トランプ政権は本当に欧州を守るつもりがあるのかどうか」と強い疑念を呼び起こしている。

 ロシアが欧州に侵攻すれば、米国が欧州の支援に駆けつける。その約束こそがNATOの本質であり、戦後長きにわたって欧州を大戦争から防いできた抑止力だ。大統領はここでも戦後体制を根本から揺さぶっている。

 以上、ざっと見ただけでもトランプ政権は自由貿易や米中関係、米欧関係の根幹に無頓着で、世界秩序をリセットしようとするかのようだ。

 それは取引を有利に運ぶためのビジネスマンならではのはったりにすぎないのか、それとも本気なのか。もしも本当に秩序を壊していくなら、世界は弱肉強食のジャングルに戻ってしまいかねない。

 まずは、大統領がことのほか熱心な貿易通商分野に注目しよう。近く開かれる日米首脳会談は安倍晋三首相が大統領の真意を測る絶好の機会になる。

 (東京新聞・中日新聞論説副主幹、四国新聞特別コラムニスト)

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