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長谷川幸洋のニュース裏読み
日ロ領土交渉の行方 東アジア関係を一変か
2016/09/26更新
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  ロシアのプーチン大統領が12月15日に来日する。北方領土問題の進展はあるのだろうか。私は膠着(こうちゃく)状態だった交渉に大きな窓が開くのは確実ではないか、とみる。

 根拠はといえば、まず安倍晋三首相がロシア経済分野協力担当相を新設し、世耕弘成経済産業相に兼務させた。一国を相手にした専任大臣を置くのは異例だ。

 安倍政権がここを正念場とみて本腰を入れている気迫のほどがうかがえる。ウラジオストクで開かれた首脳会談では、エネルギー開発など8項目の協力案件を具体化するために商社やメーカーのトップたちも同行させた。

 プーチン大統領は会談後の経済フォーラムで日本の協力を「唯一の正しい道」と評価し、交渉の先行きについて「我々はきっと問題を解決する」と踏み込んだ。

 焦点は島に居住している約1万7千人のロシア人たちの扱いだ。日本は4島の日本帰属が確認できれば、島の返還後も彼らの居住権を認める方針と報じられている。

 4島が日本になってロシア人の生活する場所がなくなってしまうようだと、ロシアが返還に及び腰になるのは理解できる。居住権を認めるのは現実的判断だろう。

 その際、鍵を握るのはロシア軍の扱いである。国境警備隊として常駐しているロシア軍をどうするか。結論を先に言えば、私はロシア軍の駐留を期限付きで認めるのは「悪い話ではない」と思う。日本を脅かす中国をけん制する効果があるからだ。

 日本には沖縄に米軍がいる。加えて返還された北方領土にロシア軍が残るなら何を物語るのか。日本とロシアが敵対しない。それどころか日ロが「擬似同盟関係」になることを意味する。

 互いに戦火を交えないのはもちろん、両国の利益を損なう動きがあれば、共通して対処する可能性を含意する形になる。それは正式な条約がなくても、実態として利益を共有する関係といえる。

 日ロの親密化をもっとも嫌がるのはだれかといえば、もちろん中国だ。中国はロシアと仲良くして日米に対抗するのが基本戦略だった。そのロシアが北方領土の返還とロシア軍駐留、経済協力受け入れで日本に接近すれば、中国は東アジアで孤立していかざるをえない。

 これまで親密だった韓国が高高度防衛ミサイル(THAAD)の配備決定で中国から離反している。加えてロシアも離れていくのは中国には悪夢に違いない。

 返還交渉が進むかどうかは米国も鍵を握っている。米国はクリミアに武力侵攻したロシアを許せない。盟友である欧州を脅かしているからだ。だが誤解を恐れずに言えば、日本にとってクリミアは欧州と違い、遠い存在である。

 南シナ海の人工島に軍事基地を建設している中国は米国の利益も損なう。そうであれば、米国もクリミア問題と中国問題を切り離して、日ロ関係の改善を歓迎する。つまりロシア軍駐留を含めた交渉進展を米国が容認する可能性はけっして小さくない。

 いずれにせよ、12月のプーチン来日はビッグイベントになる。それは日本のみならず、東アジア全体の国際関係を日本有利に一変させる可能性を秘めている。

 交渉の行方は国内政局にも影響を及ぼす。国民が歓迎する成果が得られれば、安倍政権は年末から年初にかけて衆院解散・総選挙に打って出る可能性が高い。

 (東京新聞・中日新聞論説副主幹、四国新聞特別コラムニスト)

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