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長谷川幸洋のニュース裏読み
英国のEU離脱 日本の針路の反面教師に
2016/06/27更新
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 英国の国民投票で欧州連合(EU)離脱派が勝利した。激震は欧州のみならず、世界の枠組みを大きく変える「新しい歴史の始まり」になるかもしれない。

 今回の出来事がなぜ世界を変えてしまうのか。それは単に世界の金融市場で株価が暴落したとか、企業活動にマイナスになるといった理由からではない。あるいは英国とともに米国の影響力が減退するといった話でもない。

 もっと根源的なものだ。

 英国だけでなく他の欧州でも米国でも人々は内向きになって「自分たちの城を固めよう」という考えが広がっている。それを「指導者に扇動されたポピュリズム」と切り捨てるのは皮相的にすぎる。

 人々は「城を強固にしないと自分の生活が危ない」というリアルな切迫感にとらわれている。雇用が外国人に奪われたり、テロリストの暴挙は現実なのだ。

 英国の多数派はEUから離脱しないと英国人労働者の高い賃金や治安を維持できないと考えた。まったく同じ主張を米国大統領選で共和党のトランプ候補が訴えている。

 トランプ氏はメキシコとの国境の壁を高くしたり、イスラム教徒の入国を禁止しないと、米国民の豊かで平和な暮らしを維持できないと唱えている。それは誤りだが、確実に国民の心に届いている。英国のEU離脱はトランプ氏を勢いづけるに違いない。

 変化は欧州でも始まった。EU残留派が多いスコットランドでは再び、独立を目指す住民投票の動きが出ている。英国自身が分裂する可能性はけっして低くない。

 ドイツやフランス、イタリア、スペインでもEU離脱派が勢いを増している。フランスで極右の国民戦線を率いるル・ペン党首は来春の大統領選で最有力候補とみなされている。英国の結末はもちろん追い風になるはずだ。

 こうした政治潮流を「自国優先主義」と名付けよう。これまでは不十分とはいえ、互いに協調しながら問題解決を目指す「国際協調主義」が世界を支配していた。G7サミットはその代表格だった。

 いったいどうして、わずか数年の間に国際協調主義が後退して自国優先主義が力を増してきたのか。それは中国やロシア、テロリストたちが各地で暴れ回る無法の連鎖と無関係ではない。

 とりわけ中ロは本来、国連安全保障理事会の常任理事国として世界の平和と安定に特別な責任を担っているはずだった。それがクリミアや南シナ海で国際法を無視し平然と居直っている。テロを非難していても、実は彼らこそが助長している。

 自由と民主主義の国は協調して無法に対処してきたが、自由であるがゆえに移民や難民、テロリストの流入を止められなかった。加えて世界経済の低迷も拍車をかけた。

 どの国も協調と連帯が重要と頭で理解していても「まずは自分の城を固めるのが先」という本音を抑えられなくなっている。その象徴が今回の英国EU離脱である。

 こうした中で日本はどうすべきか。日本が自国優先主義では立ち行かないのは明白だ。資源がないから、国際協調主義に基づく自由貿易は不可欠な生存条件である。

 日本を脅かす強力な隣国もある。一部の左派勢力のように個別自衛権のみで「自分の城は自分で守る」と言い張れば、大軍事国家を目指さざるをえなくなってしまう。

 英国EU離脱を日本の進むべき道を示す反面教師にすべきだ。参院選が日本の大戦略を考える絶好の機会になる。

(東京新聞・中日新聞論説副主幹、四国新聞特別コラムニスト)

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