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長谷川幸洋のニュース裏読み
サミット後の世界 自国優先主義に危機感
2016/05/31更新
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 伊勢志摩サミットが終わった。会議前には財政出動をめぐってドイツとの意見対立が盛んに報じられたが、閉幕してみれば金融緩和と構造改革に加えて、財政政策も機動的に実施することで合意した。

 首脳宣言には「3本の矢を個別または総合的に用いる」という文言が入っている。私はかねて「3本の矢は安倍政権のオリジナルというより世界標準」と指摘してきたが、宣言で証明された形だ。

 ネーミングが斬新だっただけで、景気を立て直して中長期の安定成長を目指そうと思えば、どの国だって財政金融政策を発動し構造改革を進める以外にない。それは経済学の教科書に書いてある。

 日本では政権を批判したいがために、なんでもかんでもケチをつける野党やマスコミ、評論家の意見がまかり通っているが、彼らは勉強し直したほうがいい。メルケル首相だって「3本の矢は当たり前」と思っているのだ。

 そう指摘したうえで、サミットの成果を手放しで喜んでもいられない。いま世界には不安材料があふれている。

 まず目前の心配事は首脳宣言でも触れたように、英国の欧州連合(EU)離脱問題だ。もしも英国がEUを脱退する事態になれば、英国だけでなくEUひいては世界に大きな打撃を与える。「自国優先主義」という亡霊に勢いを与えてしまうからだ。

 離脱を願う人々は、EUにとどまっていても移民が押し寄せるだけで雇用が奪われ、治安も心配と考える。ギリシャをはじめ怠惰な南欧を支援するために負担を強いられるのも納得できない。

 英国が自分自身の利益を優先すべきだと思っている。こうした考え方は米大統領選で共和党候補になったトランプ氏と共通している。トランプ氏は米国第一主義だ。

 来年にはフランス大統領選がある。先の仏地方選で躍進した右翼のル・ペン国民戦線党首がフランス大統領になる可能性だってある。

 先のオーストリア大統領選では、同じような右翼候補が最終的に敗北したものの「あと一歩」まで大健闘した。

 自国利益を優先する考え方は「孤立主義」と紙一重である。G7はこれまで孤立主義を排して、経済も安全保障も国際協調優先でやってきた。だが、たとえばトランプ氏は日本からの米軍撤退をちらつかせて日本や韓国の核武装を容認し、首脳宣言が奨励した環太平洋連携協定(TPP)に反対している。

 英国がEUから離脱し、トランプ大統領が誕生すれば、来年のサミットは今回とまったく違ったものになるだろう。トランプ氏は中国のサミット参加を言い出すかもしれない。そうなれば大喜びするのは中国だ。「米国との太平洋縄張り分割」という野望に決着をつける絶好の機会と考えるだろう。

 伊勢志摩サミットが醸しだした平和なユーフォリア(楽観主義)は、今回が最後になる可能性があるのだ。

 さて、安倍晋三首相は消費税増税を先送りする方針を固めて政権内の最終調整に入った。それは当然だ。各国に財政出動を求めながら、日本が増税するわけにはいかない。

 そうであれば、首相が増税断行を繰り返し述べてきた以上、私は衆参ダブル選で国民の信を問うべきだと考える。だが、首相は解散見送りに傾いているようだ。

 集団的自衛権に反対する野党は「日本のことだけ考えていればいい」という日本版の自国優先主義ではないか。この夏は増税先送りと野党路線を問う選挙になる。

 (東京新聞・中日新聞論説副主幹、四国新聞特別コラムニスト)

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