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長谷川幸洋のニュース裏読み
2016年波乱の幕開け 内外とも緊迫の局面続く
2016/01/31更新
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 アベノミクス推進の柱になっていた甘利明経済再生相が28日、献金疑惑の責任をとって辞任した。

 世界を見渡せば、イランとサウジアラビアが国交を断絶し、北朝鮮は核実験に続いて弾道ミサイルの発射準備をしている。テロも各地で続いている。2016年は年明け早々から波乱の幕開けだ。

 まず世界から見ていく。

 いま注目すべきなのは、中国の周辺国が相次いで中国から離反している事実だ。北朝鮮は中国の制止を聞かず、核実験と弾道ミサイル開発に夢中になっている。最高指導者の金正恩(キムジョンウン)第1書記は中国の習近平国家主席に対して「いつまでもお前の子分じゃないぞ」と見栄(みえ)を切ったつもりなのだろう。

 かと思えば、韓国も親中国路線を修正し始めた。北朝鮮の脅威が鮮明になる一方、中国はバブルが崩壊し、対中貿易に依存したままでは韓国も共倒れになってしまう。だから朴槿恵(パククネ)大統領は慰安婦問題を解決して、日米との協調路線に復帰したかった。

 加えて台湾だ。中国との関係で「現状維持」を訴えた民進党の蔡英文政権が誕生した。台湾は事実上、独立国として存在しているのだから、現状維持とは「中国からの独立維持」にほかならない。

 それぞれ事情は異なるが、北朝鮮、韓国、台湾それに香港が相次いで中国に距離を置き始めた。これは1990年のバルト3国独立を思い起こさせる。バルト3国の独立宣言こそがソ連の求心力低下を世界に示し、翌91年のソ連崩壊につながった。

 いま韓国や台湾など周辺国の離反が中国崩壊の序章にならない保証はない。中国人自身が人民元を売ってドルへの逃避を始めている。

 そんな激動を踏まえたうえで、国内に目を転じよう。

 甘利大臣の辞任は安倍晋三政権にとって打撃である。甘利氏はアベノミクスの旗振り役であるだけでなく、環太平洋連携協定(TPP)交渉の最高責任者だった。野党は献金疑惑が表面化すると、大臣のクビをとるのに夢中になったが、国会でTPP関連法案の質疑が控えているのを忘れてしまったのだろうか。

 交渉の内幕は甘利氏にしか分からない。献金疑惑の責任をとるのは当然だが、TPPの中身を質(ただ)すのも同じく重要ではないか。政策論議より政権攻撃優先という野党の体質がここにも表れていた。

 後任には石原伸晃元環境相が就任した。石原氏は党幹事長や政調会長の重責を経験しているが、経済閣僚としてはまったく未知数だ。

 とりわけ、いまは消費税の10%引き上げ問題を控えている。果たして増税を目指す麻生太郎財務相、谷垣禎一幹事長らを向こうに回して戦えるか。財務官僚に丸め込まれてしまうようだと、増税に慎重な安倍首相や菅義偉官房長官の旗色が悪くなる。

 一方、日銀は29日、当座預金の一部にマイナス金利を導入して追加金融緩和に踏み切った。鉱工業生産指数の低下など景気の先行き不透明感が一段と濃くなってきた中、追加緩和したのは適切だ。

 同時に日銀は消費者物価上昇率2%達成の目標を2017年度前半に先送りした。これで先送りは3度目だ。

 中国経済が完全に失速し、デフレ脱却も遠のく中で10%への消費増税ができるかといえば、とうてい難しい。だからこそ石原大臣の舵(かじ)取りと調整能力が問われるが、不安は残る。

 7月は参院選、おそらく衆参ダブル選挙が控えている。ここから先は内外ともに緊迫した局面が続く。

 (東京新聞・中日新聞論説副主幹、四国新聞特別コラムニスト)

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