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長谷川幸洋のニュース裏読み
テロにどう対応すべきか 共通の敵は「イスラム国」
2015/11/29更新
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  パリが同時多発テロに襲われた。その後、トルコ軍機がロシア軍機を撃墜する事件が起き、過激派組織「イスラム国」(IS)はワシントンを攻撃する声明も出している。

 私は1月にパリの風刺週刊誌が襲撃された事件の後、この欄で「世界はテロと戦争の時代に変わった」と書いた。残念ながら、それはもはや否定しようがない。日本はどう対応すべきなのか。

 まず情勢を整理しよう。

 フランスのオランド大統領はテロの後「フランスは戦争状態にある」と宣言して、テロリストの残党を摘発する一方、ロシアや米国にIS掃討の共同作戦を呼びかけた。

 ロシアは9月にシリア空爆を始めたが、当初はアサド政権に味方して、IS掃討よりも反体制派に狙いを定めた。ところが、10月末のロシア旅客機爆破事故をISの犯行と断定した後はシリア領内のIS空爆に本腰を入れ始めた。

 そんな最中に起きたのが、トルコ軍機によるロシア軍機撃墜事件だ。ロシアがIS掃討で足並みをそろえかけた矢先だっただけに、新たな対立が事態を複雑にしている。

 それでもはっきりしてきたのは、各国が従来の経緯にこだわらず「敵か味方か」の計算で動いている点である。たとえばプーチン大統領はフランスを同盟国と呼んだ。

 フランスは旧東側に対抗した北大西洋条約機構(NATO)の一員である。2013年3月のクリミア侵攻以来、フランスは欧米各国と足並みをそろえてロシアに厳しい経済制裁も課してきた。

 そんなフランスがロシアの同盟国であるはずがないが、いまやISが共通の敵である以上「敵の敵は味方」という論理に基づいて、仏ロは同盟関係も同然という認識なのだ。

 フランスはロシアが支援するアサド政権に反対していたが、ここへきて外相はIS掃討作戦でアサド政権軍と連携する可能性を示唆している。これもISを倒すためなら「当面の敵は棚上げする」という現実的判断である。

 軍機撃墜事件が引き起こしたトルコとロシアの対立も沈静化する可能性がある。もともと両国はトルコの同胞であるトルクメン人とアサド政権の対立を反映して緊張していた。だが、ISが共通の敵であるなら、自分たちの友人を支援するより、まず自分たちの敵を倒すほうが先だろう。

 こうしてみると、テロリストと各国を動かしているのは敵味方の原理としっかり理解する必要がある。実は、それこそが世界が変わってしまった最大のポイントである。

 これまで世界の平和と繁栄を支えてきたのは「自分が豊かになれば相手も豊かになる」という共存共栄の原理だった。ときに敵味方の原理が顔を覗(のぞ)かせることはあっても「自分を倒せば、あなたも困るんだよ」と説得できた。

 だが、テロリストを共存共栄の原理で説得できないのはあきらかではないか。残念ながら「話せば分かる」世界は遠のいてしまったのだ。

 そういう冷酷な現実を日本と日本人は真正面から見つめなければならない。けっしてテロが遠く離れた世界の出来事ではないからだ。

 来年5月には伊勢志摩サミットが開かれる。テロリストが日米欧の首脳たちを絶好のターゲットとするのは明白だ。フランスでは令状なしの家宅捜索や逮捕が可能になる非常事態宣言が延長され、さらなる法改正や憲法改正が検討されている。

 日本も自衛隊の活用を含めた緊急事態法制の検討に本腰を入れるべきだ。残された時間は多くない。

 (東京新聞・中日新聞論説副主幹、四国新聞特別コラムニスト)


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