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長谷川幸洋のニュース裏読み
中国経済減速 背景に権力闘争激化
2015/08/30更新
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 中国経済の不透明感を受けて、世界で株価が乱高下した。日本の株価もしばらく不安定な動きが続くだろう。

 上海株の暴落が始まったのは6月15日だ。この日は習近平国家主席の62歳の誕生日だった。だからこそ「株価はさらに上昇する」とみて資金を注ぎ込んだ投資家たちは、期待とは裏腹に悪夢に直面した形である。

 株価急落の背景には習近平指導部と江沢民派との権力闘争があると言われている。それを裏付けるように、本来なら株価とは関係ないはずの公安省が空売りの調査に乗り出した。政権側は「体制を揺さぶる意図がある」とみているのだ。

 株価の動揺を受けて、中国人民銀行は8月11日から3日連続の介入で人民元の対ドル基準レートを切り下げた。輸出をテコ入れし、景気を下支えするためだ。

 米国は「人民元は実力に比べて過小評価されている」とずっと批判してきた。習主席が9月に訪米を控えるタイミングで、米国の神経を逆なでするように切り下げたのは、米国の意向などかまっていられないほど追い詰められていたからだ。

 中国が本当に恐れているのは、投資家たちの怒りもさることながら、景気が悪化して一般国民の怒りを抑えられない事態である。高度成長こそが格差拡大や人権無視などに対する国民の不満を抑えてきた。経済が行き詰まれば、何が起きるか分からない。

 暴落自体は1年以上前から始まっていた景気の変調を後追いしたにすぎない。各地のゴーストタウンが示すように不動産バブルはとっくに弾けていた。いま注目すべきなのは株価ではない。実体経済である。

 政府発表の7%成長をいまだに吹聴しているのは、中国人エコノミストか中国との関係を悪化させたくない思惑含みの政策当局くらいなものだ。李克強首相自ら「中国の国内総生産(GDP)統計は信用できない」と言っているのは有名な話である。

 市場関係者は「せいぜい3〜4%程度」とみている。エネルギー消費量や輸入動向をみれば、マイナス成長でもおかしくない。いずれにせよ中国経済の減速は明白だ。

 人民元切り下げの真っ最中に天津で大爆発事故が起きた。厳重な報道管制が敷かれているので真相は不明だが、これも権力闘争との関係が噂(うわさ)されている。ネットでは「江沢民派が習主席暗殺を狙ったが、事前に漏れたため証拠隠滅を図った」という説も流布している。

 習指導部による反腐敗運動で江沢民派や胡錦濤派の幹部が相次いで摘発されている事態をみれば、権力闘争の激化は疑いようがない。中国の不透明感は本質的に政治に根ざしている。今後も権力闘争の行方から目が離せない。

 日本はどう対応すべきか。

 まず外交では中国につけいるスキを与えない。首脳会談を急がず、安倍晋三首相の訪中を先送りしたのは正解である。経済では中国の低迷を前提に政策を組み立てる。具体的には、秋に補正予算を組んで景気対策を打ち出すべきだ。

 来年春には再増税するかどうかの決断が迫る。いまの情勢で2017年4月の再増税を決めれば、消費を一層冷え込ませるのは確実だろう。日銀が目指す16年前半の消費者物価上昇率2%という目標も達成が難しくなる。再増税は見送るべきだ。

 安倍政権が再増税を見送るなら、昨年秋と同じように解散総選挙になる可能性がある。16年7月は衆参ダブル選挙に持ち込んで、もう一度、国民に政権選択を委ねるのだ。秋からは選挙をにらんだ政局が水面下で進行していく。

(東京新聞・中日新聞論説副主幹、四国新聞特別コラムニスト)


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