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長谷川幸洋のニュース裏読み
中国、軌道修正の理由 毅然とした日米の対応
2015/07/27更新
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 中国が対日強硬路線を軌道修正している。

 それは7月中旬に訪中した谷内正太郎国家安全保障局長に対する厚遇で明白になった。李克強首相は官僚にすぎない谷内氏を最高指導部がある中南海に招いて会談し、楊潔※国務委員(副首相級)とは政治対話の開催で合意した。異例の対応である。

 谷内氏訪中の直前には、中国が9月3日に北京で開く抗日戦争勝利記念行事に安倍晋三首相を招待すると発表した。これらは国会で安全保障関連法案の審議が真っ最中というタイミングである。

 中国は法案を批判している。だが、それは表向きに過ぎない。一連の動きには「日中関係を改善したい」という本音がにじみ出ている。

 軌道修正は対日関係だけではない。対米関係でも、中国は関係改善を模索する兆しを見せている。たとえば、南シナ海の問題だ。

 米国は中国の岩礁埋め立てを強く批判し、偵察機にCNNの取材クルーを乗せて世界に報道させた。すると1カ月後、中国は埋め立てを「近く完了する」と発表した。軍事施設建設は続行するから形ばかりとはいえ、当面の妥協策には違いない。

 なぜ中国は強硬路線を修正しているのか。なんといっても、起点は4月末の日米首脳会談にある。会談の核心を一言で言えば、軍事的に台頭する中国に対して、日米が「結束して対抗する」という意思をはっきりと示した点である。

 中国が南シナ海や東シナ海、尖閣諸島に野心をみなぎらせているのは言うまでもない。国際秩序を横紙破りする中国を日米はけっして容認しない。そういう断固とした決意を世界に向けて表明したのだ。

 中国は2年前まで「新型大国関係」という言葉を使って、米国の取り込みを図っていた。米国もそれに乗りかかったが、中国による一方的な防空識別圏設定あたりから警戒感を高めた。南シナ海の実情を目の当たりにして、日米首脳会談ではオバマ大統領が「中国は間違っている」とまで断言した。

 思い切った大統領の発言は突然、飛び出したわけではない。

 米国の統合参謀本部は7月「国家軍事戦略2015」という報告書を発表した。その中で「国際秩序と米国の利益を脅かす脅威」の一つに中国を初めて名指しした。いまや米国にとって、中国はロシア、イラン、北朝鮮並みの脅威なのだ。

 中国にしてみると、もはや日米の結束は崩せない。となれば9月の習近平国家主席訪米を前に、いったん緊張を緩和して時間稼ぎしたい。そんな思惑だろう。

 なぜ、ここで時間を稼ぐ必要があるのか。それは、中国国内がいよいよ抜き差しならない状況に陥ってきたからだ。

 とっくに崩壊していた不動産バブルはついに株式市場に及び、上海市場が暴落した。中国共産党が人民日報を使って意図的に煽(あお)った株式投資である。一歩間違えれば、大損した投資家たちが暴動を起こしかねない状況だ。

 権力闘争はいよいよ激しく、これまでの江沢民派に加えて、今度は胡錦濤派の大幹部、令計画氏も逮捕した。人権派弁護士らを大量逮捕したのも国内の政情不安を映し出している。このままだとアジアインフラ投資銀行(AIIB)の先行きさえ不透明だろう。

 こうしてみると、中国を動かすのはけっして融和路線ではない。毅然(きぜん)とした日米の対応である。関係改善を進めるためにも、日本は安保関連法案の可決成立が求められる。

(東京新聞・中日新聞論説副主幹、四国新聞特別コラムニスト)

※は竹カンムリに后の一口が虎


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