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長谷川幸洋のニュース裏読み
緊張高まる南シナ海 現実見据えた平和論を
2015/05/31更新
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 安保法制の見直しをめぐる国会論議が本格化している。日本の行く末にかかわる重要案件であるというのに、残念ながら、問題の核心に迫っているようには思えない。肝心の「中国の脅威」について、ほとんど議論されていないからだ。

 そもそも日本はなぜいま安保法制を見直す必要があるのか。それは中国の軍事的台頭に対して、日本の抑止力を高めるためだ。東シナ海や南シナ海で中国は無法行為を繰り返し、岩礁の埋め立て・軍事基地化を急いでいる。それは無法の既成事実化でもある。

 中国に加えてロシアの動きも気になる。ゴールデンウイークの日米首脳会談で安倍晋三首相とオバマ大統領が日米同盟の緊密化をうたいあげたと思ったら、ロシアと中国が急速に接近し始めた。習近平国家主席はプーチン大統領とモスクワで肩を並べて、対ドイツ戦勝利70周年記念軍事パレードを観閲した。

 その数日後には地中海でロシアと中国の海軍が合同軍事演習を始めた。これはクリミアをめぐってロシアが対立している欧州に対するけん制だ。中ロ海軍は8月に日本海でも合同軍事演習をする予定である。こちらは尖閣諸島をめぐって中国が険しく対立している日本に対するけん制だろう。

 日米欧が結束を強めるなら「オレたちも地中海と日本海で結束するぞ」という中ロのデモンストレーションなのだ。まるで、かつての冷戦復活を思わせるような展開である。とりわけ焦点は南シナ海だ。

 中国はいまや東京ドーム170個分といわれる規模で岩礁周辺を埋め立てて、2017〜18年には3千メートル級の滑走路が完成するとみられている。そうなれば周辺国はもちろん、原油タンカーが通過する日本にとっても大きな脅威になる。

 中国は南シナ海の9割を自分たちの領海と主張し、周辺国に対して「われわれの領海で漁業をするなら事前に許可をとれ」と一方的に宣言している。いまは漁業の話だが、やがて原油タンカーにも拡大されないとは限らない。軍事基地を築いた後の有事となれば、なおさらだ。米中間では「このままだと戦争が避けられない」という声も出ているほどだ。

 改定した日米防衛協力の指針(ガイドライン)は南シナ海を念頭に、日本と米国が「情報収集、警戒監視及び偵察」活動で平時から協力する方針を掲げた。海上自衛隊の対潜哨戒機P3Cは09年から中東・ソマリア沖で海賊対策の警戒活動に従事している。そのP3Cは日本への帰途、ベトナムに立ち寄った。

 日本とフィリピンは1月に防衛相会談を開いて、防衛協力を強化することで合意している。フィリピン側からは「中古の自衛隊P3Cの供与を受けたい」という話もあった。日本は断ったものの、一連の動きは近い将来、日本の自衛隊が米国とともに南シナ海の警戒監視活動に参加するのを見越した準備と予行演習とみていいだろう。

 日本が本格的に南シナ海の警戒監視活動に加われば、中国を一層刺激するのは間違いない。南シナ海に自衛隊の能力を割けば、その分、尖閣諸島の守りが手薄になるという事情もある。かといって指をくわえて見ていれば、中国の脅威は一段と高まるばかりだ。ここはどう対応するのか。重要な分岐点である。

 急展開する世界情勢をどう見るか。日本は中国にどう向き合うのか。そして東アジアの平和と安定を維持するために、日本が果たすべき役割は何なのか。日本が「戦争する国になる」といった扇情的な話はいらない。野党は枝葉末節の話ではなく、もっと骨太の論戦を挑むべきだ。国会では現実を見据えた平和論こそ聞きたい。

(東京新聞・中日新聞論説副主幹、四国新聞特別コラムニスト)


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