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長谷川幸洋のニュース裏読み
テロと戦争の時代に 世界平和、安定に貢献を
2015/02/25更新
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 世界でテロの猛威が吹き荒れている。パリで風刺週刊誌の編集部が襲われ12人が死亡した後、日本人人質事件、デンマークの連続テロが起きた。さらにソマリアの過激派は「欧米のショッピングモールを襲撃する」と予告した。テロ関連ニュースがない日はない、と言ってもいいほどだ。

 こういう事態をどう読むべきか。一言で言えば、私は世界が「平和と繁栄の時代」から「テロと戦争の時代」に変わってしまった、と思う。現実から目をそむけるわけにはいかない。残念だが、変化を真正面から受け止めるべきだ。

 平和と繁栄の時代とは何だったか。それは「国家がともに共存共栄する『ウイン・ウイン関係』の時代」と言える。貿易が典型だ。互いに足らざるを補い、比較優位にある商品やサービスを交換し合って繁栄を目指した。それは先の大戦後、国際関係を司(つかさど)るもっとも基本の原理原則になった。

 なぜ平和と繁栄が実現できたか、といえば「悪漢はみんなで退治する」という国連の精神が曲がりなりにも機能していたからだ。正式な国連軍は誕生しなかったが、代わりに北大西洋条約機構(NATO)など集団的自衛権を基礎にした集団防衛機構が東西両陣営にできた。その結果、大国同士の直接対決は避けられた。

 乱暴な国がNATO加盟国のどこかを攻撃すれば、欧米の加盟国はみんなで反撃する。それが分かっているから、NATOには手を出せなかった。集団的自衛権が欧米と東側ブロックに平和と安定をもたらした実績をみれば、日本の一部にある「集団的自衛権が戦争を招く」かのような議論がいかに的外れか、あきらかである。

 これに対して、テロと戦争の時代の原理とは「お前は敵か味方か」と峻別(しゅんべつ)する姿勢である。貿易によって、互いに利益を享受できると分かっていても、敵とは交流しない。味方になるなら、それなりに扱う。そういう世界である。

 世界が繁栄の時代に共有していた「ウイン・ウイン関係」が生きているなら、対立している相手とも「話し合えば分かる」はずだ。だが初めから共栄など眼中になく「たたきつぶす」のを目標にしているなら、話し合いは通用しない。過激派組織「イスラム国」(IS=Islamic State)をはじめとするテロ組織はまさにそうだ。

 中国やロシアはどうか。中国は一時期、米国と「新型大国関係」の樹立を模索し、米国もそれに乗りかかったフシがあった。だが、中国による一方的な防空識別圏の設定を機に米国は警戒感を高めた。中国は共存共栄を目指すようなそぶりを見せながら、実は太平洋を東西で分ける縄張り分割を目論(もくろ)んでいるにすぎなかった。

 ロシアの野心はクリミア侵攻で明白である。米欧とのウイン・ウインではなく自国の勢力圏拡大に熱心なのだ。南シナ海における中国の無法ぶりがロシアの領土的野心を刺激し、またロシアの軍事行動が中国を刺激している。その延長線上にテロリストたちの暴虐非道がある。つまり、無法と暴力が世界を動かす時代になってしまった。

 こういう世界で日本が平和と安定を確保するには、どうすべきか。ひたすら身を縮ませて、飛んでくる火の粉はふり払う。これは「ひきこもり平和論」だ。しかも厄災の始末は他国に任せる。「お任せ平和論」である。グローバルな存在ゆえの利益は享受する一方、面倒事から逃げて回るのは卑怯(ひきょう)ではないか。

 日本は「ひきこもり」や「お任せ平和論」から脱して、できる限りの能力を活(い)かして世界の平和と安定に貢献すべきだ。正義に根ざした責任感と大きな構想力が問われている。

 (東京新聞・中日新聞論説副主幹、四国新聞特別コラムニスト)


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