天気予報を見る
 
新聞購読申込
連載TOP > 連載 > 長谷川幸洋のニュース裏読み > 記事詳細

連載

 
 
 
長谷川幸洋のニュース裏読み
朝日新聞 誤報の波紋 心底反省していない
2014/10/05更新
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 慰安婦問題と福島原発事故をめぐる吉田調書報道、さらに池上彰氏のコラム不掲載に関して朝日新聞の木村伊量社長が会見し、記事の一部を取り消し訂正、謝罪した。だが、朝日批判の火は収まるどころか、いまも燃え盛っている。朝日問題をどう考えるか。

 論点は大きく3つある。まず朝日がいまさら読者に謝罪したところで、事態は解決しない。慰安婦をめぐるデタラメ話と「原発事故で社員の9割が逃げ出した」という誤解は世界に広まってしまった。もちろん慰安婦問題の方がはるかに深刻だ。

 「慰安婦は日本軍に強制連行されて性奴隷にされた」という誤解は、いまや日本外交の弱みになっている。単に朝日と読者の関係にとどまらず、国の名誉と尊厳、将来がかかった問題になってしまったのだ。

 日本と韓国は本来、中国や北朝鮮の脅威に対抗するために米国と手をたずさえて協調すべきなのに、慰安婦問題が障害になって首脳間の対話さえままならない。これは両国にとって損失である。日本は歴史の事実に向き合って未来を語るために、世界に向けて誤解を解く作業に全力を挙げる必要がある。朝日が先頭に立つべきであるのはもちろんだ。

 ところが肝心の朝日はどうかといえば、遅ればせながら読者に謝罪はしたものの、どうも心底から反省しているように見えない。なぜ間違ったのか、という核心に迫る説明が朝日から聞こえてこないからだ。

 そこで2点目だ。間違った根本理由は記者が自分のスタンスを優先させて記事を書いた点にある。強制連行を宣伝した故・吉田清治氏の話がデタラメであるのは朝日は途中から気がついていたはずだ。16回も報じていて、記者や論説委員たちがみんなだまされたとはちょっと信じがたい。

 嘘と分かっていて書き続け、吉田氏自身が作り話と認めた後も訂正できなかったのは「慰安婦はかわいそう」「旧日本軍の悪行を追及するのだ」という朝日のスタンスを優先したからだ。これは吉田調書報道も同じである。「東京電力は逃げ出した」「そんな東電に原発を再稼働する資格はない」というスタンスが先にあって、調書の中身を自分たちの都合がいいように「つまみ食い」した。肝心の事実確認が置き去りにされたのである。

 なぜ、事実軽視のスタンス優先報道がまかりとおったのか。これが3点目だ。それは社内がみんな上司の顔色をうかがうヒラメ集団になって「自分が火傷(やけど)しそうな話にはかかわらない」という保身志向が広がってしまったからだ、と思う。

 私は匿名を条件に朝日関係者から話を聞き「たかじんのそこまで言って委員会」や「朝まで生テレビ!」の番組で複数の朝日OBたちと同席したが、彼らの話を聞くにつけ、そう確信している。朝日社内で慰安婦報道に疑問の声が出ていたにもかかわらず、関係者や上司とのガチンコ対決を恐れて問題先送りが続いてきたのである。

 では、どうすべきか。私は「読者あってのジャーナリズム」という原点に立ち戻るべきだ、と思う。これは朝日に限らない。「おれたちは独立だ。読者は記事を読めばいい」と思い上がっている新聞記者が実に多い。「政府と戦うのが新聞の独立」と勘違いしたりもしている。そうではない。

 新聞の独立とは、政府の立場を離れて自分たちが自由に物事を考え分析し、意見を述べる。そういうことだ。だから政府と同じ意見になる場合もあるし、そうでない場合もある。そんな自由な姿勢を〈読者が支持してくれるからこそ〉独立性を保て、ときには政府とも戦えるのだ。私自身を含めて新聞人は朝日問題の教訓を自戒を込めてかみしめたい。
twitter @hasegawa24https://twitter.com/hasegawa24

47CLUB(よんななクラブ)

47CLUB
全国の良質な品々を厳選してお届け

盆栽

盆栽
産地香川から盆栽文化をお届け

オンラインショップ情報

ショップ情報
オススメの買い物サイトをご紹介

讃岐囲碁サロン

讃岐囲碁サロン
ネットで世界の囲碁ファンと対局!

みみより新聞

みみより新聞
視覚障害者向けニュースサイト

住宅展示場情報

住宅展示場
家造りに関する情報盛りだくさん

生活情報紙・オアシス

オアシス
暮らしの身近な情報満載

健康新聞

健康新聞
元気な暮らしに役立つ情報を紹介

ちょこっと広告・パネット

パネット
四国新聞を伝言板として使おう!

求人情報紙・ジョブ

ジョブ
週刊発行!チラシタイプの求人情報

おりーぶ通信

おりーぶ通信
女性通信員のページ

   
▲このページのトップに戻る
購読のお申込みは0120-084-459

SHIKOKU NEWS 内に掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。 すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。

Copyright (C) 1997- THE SHIKOKU SHIMBUN. All Rights Reserved.