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伝統技法守り新商品開発に挑戦

漆器山富常務取締役・山下芳伸さん

漆器山富常務取締役・山下芳伸さん

2009/11/29

 漆器の製造、販売を手がける老舗の漆器山富=高松市栗林町=。伝統を守りながらも現代の生活様式に合った新商品を提案するなど漆器の新しいイメージを全国に発信している。山下芳伸常務取締役(52)に漆器の普及に向けた新たな挑戦や伝統文化への思いを聞いた。

       ◇

  漆器山富のスタートは祖父が1918年に創業した小さな製盆所。幼いころから、漆器職人の祖父や行商に回る祖母の姿を見て育った。大学卒業後、伝統文化を絶やしてはいけないとの思いから父が受け継いでいた漆器山富に入社。商品の企画から営業まで業務全般に携わっている。

  時代の流れに伴い、旅館がホテルに、座卓がダイニングテーブルに変わるなど生活は洋式化し、伝統ある漆器も「扱いづらく手入れが難しい食器」という存在に。そこで今の時代に合った商品を作ろうと3年前、「JAPAN山富」ブランドを立ち上げ新しい試みを始めた。コップやスープ皿など現代生活に合った新商品を製作。店舗のディスプレーは、漆器を家具と一緒に展示し、日常生活の中での使い方を提案するなどモデルルームのような形態にした。

  しかし、香川漆器の五つの伝統技法と素材だけは変えなかった。ぬくもりや美しさなど漆器の良さを守りながら、今までにない商品を生み出していきたかったからだ。最初は新たな挑戦に抵抗のあった職人やスタッフも今では積極的に新商品の企画や展示へのアイデアを出すようになり、顧客にも漆器の新しいイメージが浸透してきた。

  今後の目標はJAPAN山富を世界中に広げていくこと。伝統工芸品の固定概念を打ち破り、古くからある伝統製品でも現代の生活に合うものもあることを伝えていきたい。

プロフィル

やました・よしのぶ 1957年生まれ、三木町出身。京都学園大卒業後、漆器山富に入社。2006年に新しいブランド「JAPAN山富」を立ち上げ、伝統品の良さを残しつつも現代の生活様式に合った漆器の製作、普及に取り組んでいる。

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