
2009/07/12
うどんの原料となる小麦粉の製粉業者として、1902年に創業した吉原食糧(坂出市林田町)の新社長に、今年6月就任した吉原良一さん(52)。元コンピューターソフト開発者という異色の経歴を持つリーダーに、転身のきっかけや開発した注目商品「ハイブリッド小麦粉」、自らの夢などについて聞いた。
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創業者の家系に生まれ、小さい時から小麦粉のにおいに囲まれた生活。だが、当初は家業を継ぐ気はなかった。音楽や音を生む物理に興味があり、大学は工学部へ。バンド活動に熱中した末に電器メーカーに就職し、事務用コンピューターソフトの開発に携わった。
当時のコンピューターはまだ未発達。ゼロからものを作り、独創的な考えを発想する経験が楽しかった。転身を考えたのは30歳前。ものづくりの現場は楽しいが、自分にしかできないことをやってみたい。その思いが強くなり、製粉の道にかえろうと決意した。
製粉業は職人の世界。粉砕機の調整は非常に繊細さが要求され、その技術は自分で少しずつ身につけるしかなかった。腕が上がる一方で、新商品の開発にも力を入れた。うどんブームが到来し、原料の粉に当時求められだしていたのは、もちもち感。その研究を進める中で行き着いたのが「ハイブリッド小麦粉」だ。
うどん用小麦は豪州産が基本だが、県産も使ってみると非常になめらか。二つの特性を最大限に引きだして掛け算しようと考えた。粉をただ混ぜるのでなく、抽出した成分を2500通り以上のバランスで配合。2年以上かけてベストマッチングを探した。
今は、従業員がプロとして自分らしさを発揮できる場をつくるのが目標。そして原料を生産する立場からうどんの可能性を広げる手伝いをし、よりよいものを生み出していきたい。