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2015秋季四国地区高校野球大会 関連記事

新生高松商 鮮やか逆転 春王者を撃破、初V/明治神宮野球第5日

最終更新時間 2015/11/18

 明治神宮野球大会第5日は17日、神宮球場で行われた。高校の部の決勝は、四国代表で37年ぶり出場の高松商が今春の選抜大会を制した敦賀気比(北信越)を8―3で破り、香川県勢初優勝を果たした。公立高の優勝は四日市工(三重)以来16年ぶり。

 高松商は0―3で迎えた八回に打者9人を送る猛攻で5得点。主将の3番米麦の中前2点適時打で同点とし、さらに5番美濃、6番植田理の連続長短打で2点を勝ち越した。九回にも3点を追加し、最後は五回途中から救援したエースの浦が三者凡退に抑えて締めた。

 高松商はこれまで春夏の甲子園大会でそれぞれ2度ずつ全国制覇。国体でも1度頂点に立ち、今回で全国優勝は6度目となった。

 高松商は今秋の四国大会で26年ぶりに四国制覇。春夏連続で出場した1996年以来の甲子園となる来春の選抜大会出場を確実にしている。

優勝考えてなかった
 高松商・長尾健司監督の話
 優勝は全然考えていなかった。ここで1番となったが、本当の力はまだない。今回のことは忘れないと。全力で練習し、来年に向けてレベルアップしたい。

 ▽高校の部決勝
高松商(四 国)
   000000053―8
   000020100―3
敦賀気比(北信越)
▽三塁打 美濃▽二塁打 植村、林中▽犠打 高3(植田響、多田、山下)敦3(橋本、山崎2)▽盗塁 高1(米麦)敦1(本間)▽失策 高1(米麦)敦2(臼井、山崎)▽暴投 山崎2
▽審判(球)石崎(塁)鈴木、宮島、河井
▽試合時間 2時間28分

 【評】高松商は打線が3試合連続2桁安打の13安打。終盤の鮮やかな逆転劇で栄冠をつかんだ。

 中盤まで敦賀気比の右腕山崎を攻略できなかったが、0―3の八回に打者9人を送る猛攻で5得点した。無死満塁から暴投で1点を返し、なお二、三塁から米麦の中前打で同点。さらに1死三塁から美濃の右翼線三塁打で勝ち越し、植田理も左前打で続いた。九回も二つのバント安打などで好機をつくり、美濃の2点打などで3点を追加し、駄目を押した。

 投手陣も粘り強かった。先発の多田は五回こそ3長短打で2失点したが、走者を出しながらも丁寧に直曲球を低めに集めた。救援した浦も本来の球威を欠く中で1失点に抑えて、終盤の打線の奮起につなげた。

8回集中打 一挙5点 王国復活に光 センバツへ飛躍期す
 八回に勝ち越し打を放った二塁美濃が軽快にゴロをさばき、送球が一塁手のグラブに収まった瞬間、快進撃を続けてきた高松商ナインの挑戦は最高の結末を迎えた。マウンド付近に集まり、人さし指を立て、夢見心地で歓喜の輪をつくった。

 昨夏に全国制覇した大阪桐蔭に続き、今春の甲子園を制した敦賀気比も撃破しての初優勝。長尾監督は「最後まで粘り強く戦えた。選手を褒めたい」と目を細めた。

 鮮やかな終盤の逆転劇だった。相手右腕の投球数が100球を超えた0―3の八回、集中打で5点をもぎ取った。

 暴投で1点を返し、なお無死二、三塁から米麦が「これまでの借りを返す」と同点の中前打。四国大会終盤から思うような打撃ができず苦しんだ主将の一打で試合を振り出しに戻すと、あとは押せ押せだった。八、九回だけで9安打8得点。これまで何度も見せた「つなぎの野球」を大一番の勝負どころでも披露した。

 今大会初めての追う展開で迎えた終盤にも、ベンチは浮き足立たなかった。劣勢をはね返した四国大会での今治西戦や済美戦の経験。加えてベンチからは声が出て、選手も必死に一塁へ全力疾走した。八回、先頭打者としてヘッドスライディングで内野安打にし、逆転の起点になった山下は「何としてでも塁に出てつなぐ気持ちだけだった」。最後まで粘り強く仲間を信じ、終盤のドラマを生んだ。

 通算6度目の全国タイトルを獲得したが、確実にしている20年ぶりの甲子園となる来春の選抜大会での躍進こそが目指すべき場所だ。「おごることなく、さらに力をつけたい」とナイン。全国で低迷が続く香川に希望をもたらした栄冠の喜びはしまいこみ、春に向けてまた強くなる。

多田―浦 粘りの投球
 高松商は準決勝で好投した多田からエース浦への継投で3失点にとどめ、終盤の打線の奮起につなげた。優勝投手になった浦は「うれしすぎる。準決勝は多田が頑張ってくれたので、きょうは自分もリリーフを頑張ろうと思った」と喜びに浸った。

 敦賀気比打線に対し、ともに手元でわずかに変化するスライダーを巧みに使った。女房役の植田響は「ほんの少し曲がる球。それとカーブでうまく泳がせることができた」とにっこり。

 多田はエース浦が体調不良で登板を回避した準決勝に続き、晴れ舞台の先発を務めた。初優勝に大きく貢献した右腕は「うまく打ち取れた。結果を残せて今後の自信になる」と、晴れやかな笑みを浮かべていた。

■高松商ひとこと集
 植田理久都一塁手(八回に5点目の適時打) ミートだけを意識したらいいところに当たってくれた。優勝できて素直にうれしい。

 美濃晃成二塁手(八回に勝ち越し三塁打) 打てる自信はあった。リードされていたけど、ベンチは明るく追い付けると思っていた。

 吉田啓瑚左翼手 つなぐ野球ができたのが勝因。バントミスもあるし、守備力ももっと上げていきたい。

 安西翼中堅手 先発の多田が踏ん張ってくれた。誰か一人が決めるのではなく、つないだから勝てた。

 大熊達也右翼手 1勝が目標だったけど、目先のことに集中できたことが優勝につながった。

 荒内俊輔外野手(八回に代打で好機を広げるバント安打) 後ろの米麦につなぐ気持ちだった。コースを狙ったらうまく転がってくれた。次はスタメンになれるよう頑張りたい。

力は出し切った
 敦賀気比・東監督の話
 今、持っている力は出し切った。選手も私も、このチームがどうして勝っているのかが不思議だった。もろいチームの状態を見せたので、また冬にしっかりと練習したい。

敦賀気比エース リード守れず涙
 敦賀気比は長身エースの山崎が3点のリードを守れず、初優勝を逃した。バント処理の失策も絡み、13安打8失点。156球で完投したが「優勝を考えてしまい、集中力が切れた部分があった」と目を真っ赤にした。
 マウンドに立たせ続けた東監督は「ピンチに強いのがエース。ただ投げるだけでは勝てない」と2連覇が懸かる来春の選抜大会に向け、成長を期待した。

■高松商野球部史
 1909(明治42)年創部。甲子園出場は春の選抜大会25回、夏の選手権大会19回。全国制覇は春が1924(大正13)年の第1回、1960(昭和35)年の第32回大会の2度。夏も1925(大正14)年の第11回大会、1927(昭和2)年の第13回大会で制している。国民体育大会は1958(昭和33)年の第13回大会で優勝。明治神宮大会は37年ぶり2度目の出場で初制覇。高校野球の全国大会4大会を全て制したのは帝京、横浜、報徳学園、日大三に続き史上5校目。

敦賀気比を破って初優勝し、喜ぶ高松商ナイン=神宮球場

敦賀気比を破って初優勝し、喜ぶ高松商ナイン=神宮球場

【高松商―敦賀気比】8回表高松商無死二、三塁、米麦が中前に同点となる2点適時打を放つ=神宮球場

【高松商―敦賀気比】8回表高松商無死二、三塁、米麦が中前に同点となる2点適時打を放つ=神宮球場

【高松商―敦賀気比】8回表高松商1死三塁、右翼線に勝ち越しの三塁打を放った美濃が塁上でガッツポーズ=神宮球場

【高松商―敦賀気比】8回表高松商1死三塁、右翼線に勝ち越しの三塁打を放った美濃が塁上でガッツポーズ=神宮球場

敦賀気比を破って初優勝し、喜ぶ高松商ナイン=神宮球場

第46回明治神宮野球大会(クリックで拡大します)

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