本命不在の大会は尽誠―高松商という宿敵決戦で幕を閉じた。県内の高校野球ファンにはたまらない好カードは期待に応える熱戦を展開。優勝旗を狙い、一投一打に闘志を込める選手たちの姿を見ながら、高校野球の面白さをあらためて感じた。
ただ、決勝にも言えることだが、大会はミスからの「自滅」が多かった印象が強い。無駄な四球や失策はもちろん、1点に執着するあまり、余計な得点を許したり、進塁させたりする場面が目立った。
象徴的なのは三木と香川中央の3回戦。秋の大会では珍しい降雨ノーゲームとなり、再試合になった。「1試合目」は相手守備陣のミスを突いて得点を重ねた香川中央が七回までコールド差でリード。一方、2日後にあった「2試合目」では、三木が香川中央の失策に乗じて得点を挙げ、八回コールド勝ちした。
その三木も準々決勝では失策を連発し、土庄に完敗。優勝候補に挙げられていた香川西や寒川にしてもミスが流れを手放す原因になった。
チームの完成度が未熟な秋の大会。結局、今大会も両チームが100%同士でぶつかり合った結果ではなく、ミスの少ないチームが勝ち上がった。新チーム結成から時間が足りず、選手たちの試合経験が乏しいのは理解できる。ただ、このレベルから脱することができないのは寂しい限りだ。
四国大会へ出場する3校に目を向けてみる。
優勝した高松商は黒坂監督の言う「攻撃型チーム」。決勝で笹田、土居が放った本塁打のように、思い切りの良いスイングが徹底されていた。投手陣は左すねの疲労骨折から戦列復帰した右腕榎内が救世主に。背番号18の1年生は準々決勝の香川西戦、決勝の尽誠戦で完投勝利し、4年ぶり王座奪還の原動力になった。
尽誠はエース村上の成長が待たれる。チーム打率は3校の中で最高の3割5分6厘。決勝の九回の追い上げも見事だった。気持ち一つに粘った過程は財産になる。四国大会での飛躍につなげてほしい。
丸亀は伝統の試合巧者ぶりが戻ってきた。チーム打率は2割7分7厘と物足りないが、5試合で18犠打をマーク。主戦山地も内外角の投げ分けができる好投手だった。
四国大会はミスの許されない戦いが待っている。県勢3校には今大会で目立った「自滅型」にならないことを願ってやまない。実力的な差は仕方ない。たとえ敗れても、万全の試合運びだったなら、悔しさをバネに冬の練習も一層に身が入るだろう。
2002年から県勢は一般選考でのセンバツ出場に手が届いていない。夏の戦績を見ても、他3県に大きく水をあけられた格好だ。残念ながら、四国大会のスター候補として挙げられるほどの好選手は見当たらなかった。使い古された言葉だが、「チーム一丸」の奮起を期待したい。 (運動部・宮川豪介) |