目を赤く腫らし、崩れ落ちるナイン。甲子園球場に鳴り響く試合終了を告げるサイレンとともに、尽誠の夏が終わった。第八十九回全国高校野球選手権大会第二日の九日、県代表の尽誠は智弁学園(奈良)と対戦。持ち前の粘りを見せたが、失策からの大量失点が響き2―12と完敗。大声援で後押ししたアルプススタンドは、泣きじゃくるナインを温かく迎えた。「よくやった」「夢をありがとう」。健闘をたたえる大きな拍手が沸き起こった。
この日、在校生や保護者らの応援団はバス二十一台で甲子園に到着。在阪のOBらも駆け付け、一塁側アルプススタンドに陣取った。
初回、失策でいきなり先頭打者の出塁を許すピンチ。県大会決勝で本塁打を放った馳平選手の父勇次さん(52)は「調子は上向きと聞いていたのに…。緊張せず普段通りのプレーさえしてくれれば」と心配そうな視線を送った。
「守り勝つ野球」で県大会を勝ち抜いてきたナインだが、らしくないプレーが続く。「みんな動きが硬い」「落ち着いたプレーを」。焦りの色がスタンドに浮かび始めた三回、制球に苦しむ藤井投手がついに押し出しを含む2失点。五回には失策から本塁打などで大量リードを許した。
尽誠のスコアボードに0が並ぶ苦しい展開の中、応援部主将の山口貴司君(17)は、「しり上がりに調子をあげるチーム。必ず追いつける」と気迫のエール。思いが通じたのか、七回に馳平、藤井選手の連打を足がかりに赤穂選手が二死から意地の適時二塁打。待望の2点に「これから反撃開始だ」。スタンドはこれまでのうっぷんを晴らすかのようにヒートアップした。
だが、八回には再び失策でリズムを崩し4点を献上。逆転を信じて声を振り絞る応援団の願いは届かず、最後まで試合の流れを引き寄せられなかった。
最終回には二安打などで好機をつくったものの得点には結びつかず、初戦敗退。ショックにうなだれるナインを応援席は温かく出迎えた。「甲子園をありがとう」。スタンドから、この日一番大きな拍手が送られた。
新ユニホームで懸命の声援送る チアリーダー
全力プレーを続けるナインを後押しようと、スタンドから選手を鼓舞し続ける応援団。声援のリード役を務める尽誠応援部のチアリーダー十七人は、最後まで笑顔で躍動感あふれるダンスを披露した。
この日は、県大会からユニホームを一新。部員全員で「甲子園のアルプスで映えるデザインを」と、黄色を基調とした周囲を「元気」にさせる装いで臨んだ。
応援部副主将の光沢奈津美さん(18)は「新ユニホームのお披露目の日。“初陣”を飾る白星を、ナインにつかんでほしい」と、ポンポンを手に懸命の声援を送っていた。 |