相手に不足なし。見せるぞ尽誠野球―。第89回全国高校野球選手権大会の組み合わせ抽選会が5日、大阪市北区のフェスティバルホールであり、県代表で3年ぶり10度目出場の尽誠は1回戦で、今春の近畿大会を制した智弁学園(奈良)と対戦が決まった。打力が売りの強豪相手にナインは「自分たちの野球をやる。まずは初戦突破」と闘志を燃やした。
第60回大会以降定着していた初戦での東西対決方式の抽選を取りやめ、南北の北海道代表と東西の東京代表は初戦で対戦しないよう配慮したほかは、予備抽選順にフリーでくじを引いた。
尽誠の古川主将は6番目に登場し、13番札を引いた。しばらく待った後、智弁学園が隣に入った瞬間、尽誠ナインは顔を見合わせて苦笑い。すぐ横には、智弁和歌山(和歌山)―仙台育英(宮城)のカードが入ったほか、同じブロックに金光大阪(大阪)や帝京(東東京)など優勝候補がそろう最激戦ゾーンになり、「すごいことになった」と目を輝かせた。
ナインはさっそく雑誌で智弁学園のデータを確認。強力打線という評判にエース藤井は「特別な意識はせず、一人ひとりを抑えていくだけ」と冷静そのもの。最激戦ゾーンに入ったことについては「まずは初戦」と一戦必勝を強調した。

藤井が楽しみ
尽誠・下山優監督の話 相手は左打者が多いが、左投手を苦にしないと聞いた。藤井(左腕)がどれだけ抑えられるかがポイントであり、楽しみ。ただ、県大会同様、相手に関係なくうちの野球をやるだけ。普通にできるよう心の準備をしっかりして臨みたい。
戦う気持ちに
尽誠・古川智大主将の話 強いチームばかり。相手はどこでもよかった。優勝した時から甲子園で戦うという気持ちになっている。(緊急手術した)岡嶋コーチは、僕たちのために一生懸命やってくれて倒れられた。恩返しのためにも長く甲子園でプレーしたい。
売りは攻撃力
智弁学園・小坂将商監督の話 売りは攻撃力。県予選と同様に打って流れをつくりたい。先に自分たちのペースに持ち込めるかどうかが鍵。相手のことはあまり考えない。自分たちの野球に集中し、勝って奈良県の名前を全国に広めたい。
粘り強く戦う
智弁学園・佐藤龍司主将の話 香川といえば尽誠というイメージ。強いと思うが、奈良県の代表として僕たちも負けられない。県予選ではいろんなタイプの左腕と対戦し、打ってきた。どんな展開になっても自分たちのスイングをし、最後まで粘り強く戦う。
智弁学園の横顔 高い攻撃力誇る 投手陣は継投が濃厚
春の近畿大会を制した智弁学園。優勝候補として臨んだ奈良県大会では圧倒的な攻撃力を見せつけた。初戦は5点のビハインドをはね返し、準決勝は5連覇を狙った天理を打ち合いの末に撃破。決勝は奈良大付に13―2で圧勝、5年ぶり14度目の出場を決めた。
チーム打率3割4分3厘、県大会の1試合平均得点は9点。長打力はそれほど目立たないが、好機で畳みかけるのが特徴だ。レギュラーのうち、中軸3人を含む6人が左打者。県大会では、ことごとく左投手をぶつけられたが、全く苦にせずに得点を重ねた。
打線を活気づけるのは1番佐藤。50メートル5秒8の俊足で相手守備陣を揺さぶる。打率が5割を超え、チーム一の打点をたたき出した4番岸田もしぶとい。全体に振れており、中軸がバントで送って下位で得点するケースも多い。
投手陣は右腕3枚の継投が濃厚だ。中心となるエース内之倉は、スライダーとフォークを決め球に21回を投げて20奪三振。天理戦では救援に回り、逆転勝ちの立役者となった。阪口は制球力が持ち味。中井は130キロ台後半の直球を持つが、やや安定感に欠ける。守備は5試合で6失策とまずまず。
「打」の智弁学園、「投」の尽誠という構図。尽誠としては、後半に強い左腕藤井が立ち上がりをうまく乗り切れるかがポイント。途中でつかまっても、130キロ台後半の直球を持つ右腕岩崎が控え、目先を変えられる。打線はある程度とらえていけるだろう。先手を奪えば勝機は十分ある。 |