小豆島の食材や郷土料理の魅力を発信しようと、島内外の有志が月1回のペースで開いてきた催し「本からうまれる一皿~壺井栄と庚申(こうしん)の夜~」が2月に12回目を迎え、完結した。メンバーは小豆島以外の島でも同様の取り組みを始めており、個々の島が育んできた食文化を見つめ直す活動を続けていく考えだ。

 催しでは、小豆島出身の作家・壺井栄の作品に描かれている食卓の風景や、島の女性たちから聞き取った郷土食などをヒントに創作した料理を提供している。

 2016年の瀬戸内国際芸術祭前に開かれた「瀬戸内『食』のフラム塾」の修了者らのグループが運営。時季に応じて月替わりのメニューを楽しんでもらおうと、芸術祭の「食プロジェクト」の一つとして、小豆島町内で16年3~10月に8回行った。芸術祭の終了に合わせて一時中断していたが、17年11月に再開、今年2月下旬の開催で1年12カ月を一巡した。

 最終回のテーマは「家族」。家族や周囲の人々との絆を感じさせる食事の場面の描写から着想し、アジの干物やワケギの酢みそあえ、押しずしなど約10品を用意。魚や野菜、コメなど小豆島産の食材をふんだんに使った料理ばかりで、約70人の参加者は島の食の豊かさに舌鼓を打った。

 企画した岸本等さん(40)=小豆島町=らは、県内の他の島でも食文化を調査して料理を作る活動をスタート。3月に伊吹島(観音寺市)で行ったほか、5月には女木島(高松市)で予定している。岸本さんは「小豆島はもちろん、島々の食文化を学び、伝える活動をライフワークにしていきたい」と話している。