韓国出身で国際的に活躍するアーティスト李禹煥(リ・ウファン)さん(81)のトークイベントが20日、直島町の李禹煥美術館で行われた。李さんは自身の作品が展示された空間の中で制作当時の苦労話や作品の狙いを語り、集まった美術ファンらに「作品を見て明確な答えはなくても、非日常的な空間を体感してほしい」と語り掛けた。

 李さんは1970年代に起こった、既存の美術様式や表現を問い直す美術運動「もの派」の代表作家。同美術館は第1回瀬戸内国際芸術祭が開かれた2010年に開館し、石や鉄板を素材にした立体造形作品や平面作品などが安藤忠雄さん設計の建築と一体となって展示されている。

 今回は事前に応募のあった77人が参加。李さんは真っ白な壁の三方にペイントが施された展示室「瞑想(めいそう)の間」に座り、「絵の大きさや描く場所がなかなか定まらず、何度も描き直した」と制作当時を回顧。その上で、「見ている人の緊張感を引き出せるような、存在感のある空間に仕上げた」と意図を語った。

 また、安藤さんには「洞窟や胎内のような場所にしたいと美術館のイメージを伝えていた」と明かした。