三豊市仁尾町の仁尾マリーナで、瀬戸内国際芸術祭の参加アーティスト・日比野克彦さん(59)によるワークショップがあった。参加者は、日比野さんが瀬戸内海の海底で発見した遺物をスケッチしながら、現在までの過程を想像。海底遺物にまつわる“物語”を仕上げていった。

 ワークショップは、日比野さんが2010年から取り組む「瀬戸内海底探査船美術館プロジェクト」の一環。過去の芸術祭では、三豊市所有の定期船「つたじま丸」を海底探査船「一昨日(おととい)丸」に改修し、海底で眠っていた遺物を展示して好評を博した。

 今回のワークショップは海底に眠る遺物の歴史を考えたり、見えないものを想像したりする力を養ってほしいと、16日に開催。日比野さんは11月下旬、観音寺市沖の伊吹島や三豊市の蔦(つた)島の近海などを探査。水深約5~10メートルの海底まで潜っては、形や大きさ、材質が違う遺物を引き揚げた。

 ワークショップには県内外から約40人が参加。遺物の特徴をじっくりと観察して模写し、「元々は何だったのだろう」「なぜ海の中にあったのか」などと想像力を働かせ、「船上でお風呂に入っていた海賊が襲われて、その際に沈んだタイル」「海に落ちてバラバラになってしまった大きなロボットのネジ」などと、それぞれが考えたオリジナルの逸話を披露した。

 母親と一緒に参加した古高松南小1年の根岸采音(あやね)さん(7)は「『これはどうやって海へ落ちていったんだろう』といろんなお話を想像するのが楽しかった」と笑顔。日比野さんは「普段、見慣れたものや見過ごしがちなものにも気を留めてみて、ものに潜む物語に思いを巡らせてほしい」と話していた。