アジア各国の美術関係者や行政の担当者らが集う「瀬戸内アジアフォーラム」(瀬戸内国際芸術祭実行委主催)が始まり、18日は高松市サンポートのかがわ国際会議場でオープニングセッションがあった。一般を含む約200人が専門家の基調講演を聴講し、地域活性化策に効果的に芸術を取り入れるヒントを探った。

 フォーラムは同芸術祭の秋会期に合わせ、初めて開催。中国や香港、台湾など10の国や地域から約50人が訪れ、17~21日の日程で作品の視察や専門家らとの意見交換を行う。この日のオープニングセッションでは、専門家11人が登壇した。

 文化人類学者で国立新美術館の青木保館長は、アジア各国での文化への関心の高まりを指摘し「いまや東アジアは現代の『文化の時代』を迎えた」と主張。「文化の力は政治力や経済力、軍事力にも匹敵し、文化交流は平和の基礎となる。今を好機と捉え、積極的な文化創造と国際的な交流を実践していくべきだ」と訴えた。

 また福武財団の福武総一郎理事長は、直島が「芸術の島」として注目されるまでの長年の取り組みを紹介。きっかけは「瀬戸内海の島々が精錬所のガスや産業廃棄物の不法投棄で荒廃した現実を見て激しい憤りを感じたこと」と話し、「私の『アート活動』は地域に住む人が笑顔でいられることを目指している。自然があるローカル地域でこそ、アートが持つ力が発揮される」と述べた。

 このほか、同芸術祭の開催を契機に男木島の小中学校が再開した事例などが報告された。