小豆島南東部の田浦半島に位置する堀越地区に2日、獣害から農作物を守る防護壁「シシ垣」をモチーフにしたアート作品がお目見えし、地元住民らが新たな集いの場の完成を祝った。8日に開幕する「瀬戸内国際芸術祭2016」秋会期(11月6日まで)の出展作品となる。

 作品は、3年前から堀越地区で空き家の調査などに取り組んでいる早稲田大理工学術院建築学科の古谷誠章教授と研究室の学生たちが手掛けた。古谷教授はアンパンマンミュージアム(高知県)など数々の設計を担当し、茅野市民館(長野県)で10年度の日本芸術院賞を受賞している。

 古谷教授らは、活動を通じて住民がイノシシの被害に悩まされていることを知り、かつて島内一円に石や土で設けられたシシ垣の制作を構想。近くにはびこる竹を切り出して組み上げ、海を見渡せる小高い丘に延長約30メートルの竹垣を作った。地区内の神社と空き家には古い写真などを展示し、訪れた人に地区を歩いてもらう趣向としている。

 この日は地元住民らを招いてお披露目会があり、古谷教授は「人間が山に集まれば、イノシシがすみにくい環境になる。このシシ垣にベンチのように座り、堀越の魅力を感じてもらえれば」と思いを語った。