「瀬戸内国際芸術祭2016」の作品として小豆島町の草壁港に設置された公共トイレ「石の島の石」で11日、地域住民が参加してワークショップが行われた。住民は設計した建築家の中山英之さんらと共に、島特産の石の表情が味わえる作品の仕上げ作業に汗を流し、“みんなのトイレ”の誕生を喜んだ。

 トイレは小豆島の石の文化にちなみ、島内産の花こう岩を混ぜたコンクリートで建設。壁面などの一部は鏨(たがね)とハンマーを使って表面をたたく「小たたき」などの手法で中の石を露出させたデザインとした。

 ワークショップは夏会期最終日の4日に予定していたが、台風12号の接近に伴い延期。幼稚園児からお年寄りまで約250人が集まり、中山さんが「皆さんと一緒に作品を完成させたくて企画した。このトイレを自分の家のように愛してほしい」とあいさつした。

 参加した親子連れらは、ワークショップのためにコンクリートのまま残されていた外壁で、小たたきの作業を体験。代わる代わる工具を持ち、「根気がいるね」などと手仕事の苦労を体感しながら、少しずつ丁寧に掘っていった。

 また、トイレの軒先のフェンスに沿って、つる性植物を植栽した。植物が育つにつれてフェンスに巻き付き、隣接する芝生広場とのつながりを生む“緑のスクリーン”になるという。

 町はアート性の高いトイレを設置するプロジェクトを進めており、今回の作品は13年の前回芸術祭で醤(ひしお)の郷(さと)エリアに誕生した「おおきな曲面のある小屋」に続いて2カ所目。