49日間にわたった「瀬戸内国際芸術祭2016」夏会期の最終日となった4日、台風12号の接近に伴い、豊島などで一部作品の公開見合わせやイベント会場の変更があったが、全体への影響は最小限にとどまった。七つの島と高松港、宇野港周辺を彩ったアートの旅は、10月からの秋会期へとバトンが移る。

 この日は時折強い風が吹いたものの、高松と会場の島々を結ぶ船にはこれまでの週末と同様に大勢の家族連れらが乗り込んだ。港に着くとガイドブックを手に、お目当ての作品へと向かっていた。

 母親と一緒に豊島と男木島を訪れた福井県の会社員坂本やよいさん(27)は、「春会期で瀬戸芸のとりこになり、再びやって来ました。台風の影響がなくて良かった」と笑顔。友人と女木島を訪れた香川大2年の鈴田賢司さん(20)=高松市=は「置く場所や照明の工夫で盆栽がアートになっているのに驚いた。パスポートも買っているので、秋会期にもまた来たい」と話した。

 秋会期に本島で新作を披露する作家の眞壁陸二さん=金沢市=は女木島を散策。展示作品について「女木島が抱える問題を扱ったものがあり、作家が島を丁寧にリサーチしていた」と印象を語った。

 一方、小豆島では小豆島町の草壁港に地元の石を使った夏会期の新作・公共アートトイレ「石の島の石」がやっとお目見えし、住民らが見守る中、設計した建築家の中山英之さんや関係者がテープカットで完成を祝った。中山さんは「島の中の技術と外の技術を結集して出来上がった。皆さんに愛してもらい、建物をめでてほしい」とあいさつした。

 秋会期は10月8日から11月6日までの30日間。本島(丸亀市)、高見島(多度津町)、粟島(三豊市)、伊吹島(観音寺市)の中西讃4島が会場に加わる。