土庄町肥土山地区にはイノシシやシカなどから農作物を守る「しし垣」をモチーフにしたモニュメントがお目見えした。ピラミッドのような形が特長で、地中に埋もれていたしし垣が地上に姿を現したイメージ。作者の斎藤正人さんは「しし垣も今回の作品も、多くの人の協力がないと作れない。時間や思いを共有できるような作品にしたかった」と意図を語った。

 しし垣は江戸時代に小豆島全域に張り巡らされた防護壁。総延長約120キロにわたって島民自らの手で施工されたとされる。近年、小豆島が誇る文化財として再評価されている。

 斎藤さんは前回の瀬戸内国際芸術祭から肥土山地区を舞台に活動を展開し、しし垣をアートとして復興させる取り組みを続ける。前回は竹林を切り開き、瓦を積み重ねるなどして、しし垣を復活させた作品「猪鹿垣(ししがき)の島」(延長76メートル)を発表した。

 今回はその作品の近くにピラミッド状に石を積み、頭頂部に陶製の天守閣を乗せた高さ約4メートルのモニュメントを制作した。斎藤さんは「地域の名所やパワースポットのような場所になればという願いを込めた」と話した。

 この日は作品の制作や維持管理に協力する地元ボランティアの「猪鹿垣隊」が中心になってお披露目の式典を開催。メンバーが斎藤さんらと共に除幕して新作の完成を祝った。餅投げやスイカの接待なども行われた。