「瀬戸内国際芸術祭2016」の夏会期が開幕した18日、香川県高松市のシンボルタワー周辺にはアジアの文化や食を紹介する「瀬戸内アジア村」が出現。異国情緒あふれる空間が来場者の心を弾ませ、小豆島では斎藤正人さんの作品「猪鹿垣(ししがき)の島」の完成式典で餅投げに歓声が上がった。秋会期の会場となる本島(丸亀市)にはいち早く案内所がオープンするなど、それぞれの島でにぎやかな夏が始まった。

 瀬戸内アジア村の「タイファクトリーマーケット」(デックスガレリア内)にはタイ各地の工芸品が一堂に集まった。シルク製品や竹編みの籠、傘、陶芸作品など南国ならではのカラフルな品々が所狭しと並び、まるで現地に足を踏み入れたよう。

 会場ではタイの現役職人による実演も関心を集め、訪れた人たちは素材や作り方を尋ねたり、一緒に記念撮影したりするなど友好ムードがあふれていた。竹細工の女性職人ワンティダさん(32)は「期間中、ぜひいろんな人たちと交流したい」と笑顔で話した。

 高松に住んで10年になるという中国人の徐楓さん(39)は「彩りが鮮やかで雰囲気も素晴らしい。芸術祭で高松の国際化をすごく感じた。とても誇れる街ですね」と目を輝かせていた。

 多目的広場の一角には、店員に日本語も英語も通じないという一風変わったカフェ「ALL AWAY CAFE」も登場。来場者は注文に多少苦労しながらも、外国の店に入ったような感覚を楽しんでいた。

 この日は午前10時半から開村式があり、200年以上続くタイ伝統の人形劇が披露されたほか、同国のウィラ・ローポチャナラット文化大臣が「ここではタイの伝統文化やダンス、現代美術まで提供する。訪れた皆さんの貴重な思い出となってほしい」とあいさつした。

 瀬戸内アジア村は8月7日まで開催。7月中の週末には、大型テント広場でインドネシアやフィリピンなど12の国と地域から集まったパフォーマーによる公演が繰り広げられる。