3月20日に開幕する瀬戸内国際芸術祭2016に向け、主要テーマの食プロジェクトを担う人材を育成する「瀬戸内『食』のフラム塾」の最終講座が17日、高松市栗林町の栗林公園商工奨励館で開かれた。半年間地域の食について学んだ80人を超える塾生が、会場の島ごとに島の食材を生かした弁当やデザートなど多彩なアイデアを発表した。今後実行委で検討を重ね、公認企画などを決定する。

 今回の瀬戸芸は、アート作品公開に加え、瀬戸内の食やアジアとの交流などを柱に実施する。同塾は、会場での郷土料理提供や情報発信に携わる人材を求め、昨年6月末に開講。プロの料理人による調理指導をはじめ、豊島や小豆島、昨年の「大地の芸術祭」(新潟県)見学など7回の講座を重ねてきた。

 最終講座では12の班に分かれ、実食も交えて発表。前回の瀬戸芸では、多くの島で昼食が取れない人が出たことから、その解消に向けた企画が目立った。

 唯一陸続きの沙弥島は、ワカメご飯やフグ飯を木型で型抜きし、昔の島の形を表した弁当を提案。古い地図を添えることで、歩きながら地元の人と交流が生まれればとの気持ちを込めたという。本島は、揚げた魚のすり身などを食べ歩きしやすいよう、くしに刺した「瀬戸玉」、粟島は、島のあちこちにある漁具のブイで作ったブイブイ人形に似せた「ブイブイスイーツ」を紹介した。

 また、伊吹島は特産のイリコを存分に使い、高菜との炒め煮やアイスクリーム、イリコ版オイルサーディンなど本格的なメニューを用意。小豆島は「本から生まれる一皿」として、壺井栄の作品から食材を見つけ出す試みを発表した。

 塾頭の北川フラム総合ディレクターは「食事を取る楽しさをさらに盛り込んでほしい。プロの指導を徹底的に受けたり、アーティストと組んだりすることも大切」と総評。「きょうがスタート。半年間で培ったチームワークを生かし、アートを超えるようないい物ができれば」と期待を示した。