来年3月に開幕する瀬戸内国際芸術祭2016に向けて、食にまつわる企画を担う人材を育成する「瀬戸内『食』のフラム塾」がスタートした。定員30人を大幅に上回る121人の応募があったが、全員を受講生として認定。6月下旬にあった第1回講座には東京や神奈川、岡山などから100人超が参加し、瀬戸内の食材について理解を深めた。受講生は来年1月まで8回の講義や実習を経て、芸術祭での企画運営や情報発信、現地での食事提供などを行う。

 開講にあたり、北川フラム総合ディレクターが「食こそがすべての文化、芸術の基だ。このプロジェクトを通じて、皆さんは第1次産業の前線とつながっていただきたい」とあいさつ。豊島の島キッチンなど、芸術祭を機に住民と来場者との交流が育まれた事例を紹介した。

 続いて、地域の食文化に光を当てた作品の制作を進めるEAT&ART TAROさん(36)=東京都渋谷区=がゲスト講師として登壇。前回芸術祭では島ごとに3種類提供した「島スープ」を、冷製スープに再現して全員に振る舞った。TAROさんは「食もアートも文脈が大切。島の歴史をスープに込めたかった。来場者と話すのが実は作品のメーンだったのかも」と参加の魅力を語った。

 神奈川県から訪れた会社員の林春奈さん(37)は、「去年直島を訪れてアートの可能性を感じた。塾で経験したことを、地元の鎌倉にも何か還元できれば」と笑顔。高松市の会社員中田理恵さん(28)は「野菜ソムリエの資格を生かせないかと応募した。芸術祭との関わりが今から楽しみ」と声を弾ませていた。

 次回は7月12日、高松市内の料理学校で「讃岐の食材と味を知る」をテーマに講義と実習が行われる。