瀬戸内国際芸術祭の会場の一つ、岡山市犬島で福武財団(直島町)が展開中の「家プロジェクト」のギャラリー「C邸」で、来年の芸術祭に向けて、美術家の下平千夏さん(31)=長野県駒ケ根市=の新作「エーテル」の公開が始まった。

 家プロジェクトの五つのギャラリーは、来年の第3回芸術祭に合わせて段階的に展示替えを進めており、C邸が2カ所目となる。

 エーテルは、太い梁(はり)が渡された古民家の吹き抜けに建築資材の「水糸」を縦横に張り巡らせた。黄の蛍光色で光線のように輝く水糸の下部は、鑑賞者が座れるようにアクリル糸をハンモック状に編んでいる。来島者が幾重にも交差する光の線の中でつながり、C邸が島の人が集まる「町会邸」だった頃の場の記憶を感じさせる空間とした。

 下平さんは2月中旬から滞在制作し、約20人の島民も水糸の一部を手編みする作業に参加した。このほどお披露目会があり、一緒に完成を祝い合った。